■おおらかすぎる…竹馬生活10年のトンジット

 最後は、軽い気持ちでとんでもないことになってしまったトンジットだ。彼はかつて、世界一長い竹馬に挑戦しようと思い、長い竹に登ってみるも怖くて降りれなくなってしまう。しかも使用している竹が伸び続けて危機的状況に陥ったのだった。

 そんな状態で10年もの時を過ごしていたが、ルフィが偶然竹を破壊したことで降りられるようになる。それまでどうやって生きてきたのか? というと、高いところで実をつける果物などを食べて生きながらえていたようだ。

 その後、トンジットは助けてくれたルフィたちをもてなそうと自宅に招き、ミルクを振る舞おうとするのだが……当然すっかり腐っている。それでも「――このチーズがお口にあうか」と軽口を叩いていたから笑ってしまった。

 もし、ルフィがあの時竹を破壊していなければ、トンジットはずっとあのままだったに違いない。しかし彼のような性格の持ち主なら、竹の上での生活を自分なりに楽しんでいそうだとも思ってしまう。なにせ、散々な目に遭ったはずの10年間を「あ~~~~~~~恐かった」の一言で済ませられる人物である。これほど楽天的というかおおらかすぎる性格は、『ONE PIECE』のキャラの中でもかなりレアだろう。

 一番の驚きは、ルフィが竹を破壊してトンジットが地面に落ちても死ななかったことだ。恐らく高さは数十メートルはあったはず。能力者でもないのに生き残ったのは、ギャグ枠だからだろうか……。

 

『ONE PIECE』には、うっかり見逃してしまいそうだけどかなり辛抱強いキャラがいる。それも数年の辛抱ではなく、同じ環境に10年以上も耐えているのだ。その精神力の強さは、ある意味「最強」といえるのかもしれない……。

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