■「秘めた可能性」もしかして攻撃以外にも活用できるのかも?

 さらに放出系のもうひとつの使い方として描かれたのが、1055話「新時代」でのシャンクスの覇気だ。ワノ国が元四皇・カイドウの手から離れたのをきっかけに、政府加盟国にしようとする海軍は、海軍大将・緑牛を送り込んだ。将軍となったももの助や錦えもんらとの戦闘の最中、突如「バリバリ」という効果音とともに緑牛は身動きが取れなくなった。さらに、「キィィィン」という効果音が鳴ると、緑牛は遠く離れたシャンクスと会話を始めたのだ。

 過去にルフィも「キィィィン」という耳鳴りのような音がしたあと、海王類や遠く離れたももの助と会話をするような場面があった。この力を使いこなすことができれば、電伝虫を使用せずとも会話ができるようになる。

 また、海賊王・ゴールド・ロジャーの「万物の声を聞く力」にも通じる部分があり、もしかすると、あのロジャーの能力も「覇王色の覇気」によるものなのかもしれない。

 続いて966話にて、ワノ国の侍・おでんに対しロジャーが放った技「神避(かむさり)」が、アニメで観ると赤黒い斬撃が放たれたことから、武器にまとった覇王色の覇気を放出したようにも見える。

 このように覇王色の覇気は武装色や見聞色に比べ、自由度が高く応用しやすそうだ。その応用力を示したのが、1122話「イザッテトキ」の一幕。

 このエピソードでは、800年前に預かった覇王色の覇気が巨大ロボ「エメト」の体内に保管されていることが描かれた。その覇気が、ロボの体外に放出される場面もあり、長期間に渡って保管したり、発動したりできることが分かった。

 こうした新たな描写を見ると、覇気の可能性はいまだ未知数であることを実感させられる。

 ロジャー、シャンクス、レイリーなど、覇王色の覇気を持つものたちには謎も多い。今後の物語のなかで、覇王色の覇気がどのような場面で用いられるのか注目していきたい。

 

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