■まさかの親子揃って命乞い!?『ドラゴンボール』フリーザ親子
最後は、鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)から。作中でも屈指の自己中最強キャラといえばフリーザである。ピッコロ大魔王やベジータも自己中ではあるがフリーザにはかなわないだろう。あまりにもスケールが違い過ぎる……。
自らの戦闘力が53万と明かすことで感じられた力の差。そこから変身するとさらに強くなると知ったときには、絶望感しかなかった。そんなフリーザだからこそ、いつでも相手を殺せるという余裕があるのだ。
しかし、悟空が超サイヤ人へと変身して窮地に立たされると、「た…助けてくれええ…!」と命乞いをしていた。これまでの強敵で初めての行為である。しかも、悟空が情けをかけると「オレに殺されるべきなんだ――っ!!!!!」とまさかの逆襲をし、結局倒されることになった。
その後サイボーグ化したフリーザが、父親のコルド大王と共に地球に乗り込んだ際には、トランクスによって瞬殺。この時、コルド大王はトランクスに殺されることを感じ取り「まっ…待てっ!!!!」と命乞いをしていた。
まさかの親子揃って命乞いとは……かなり珍しいパターンにちがいない。
圧倒的な強キャラは、その強さゆえに自分が追い込まれる状況を想定していない。だからこそ、まさかの状況になると思わず命乞いをしてしまうのだろう。
しかし、それで許してもらえるほど甘くないから、過去の所業にふさわしい最期を迎えることになる。まさに因果応報というやつだ。