冨樫義博氏による人気漫画『HUNTER×HUNTER』のコミックス最新刊となる第38巻が9月4日に発売される。また、10月7日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)45号では最新話が掲載されることが発表されており、物語の再開に多くのファンから期待の声が上がっている。
1998年に連載がスタートした『HUNTER×HUNTER』は、主人公の少年ゴンが、まだ見ぬ父親のジンと会うために父と同じハンターになり、仲間たちと旅に出る冒険ファンタジー。現在、暗黒大陸と呼ばれる未開の大陸を目指す船の中を舞台に物語が進行中で、次期王の座をかけた全14人の王子たちによるサバイバルが行われているところで話がストップしている。
『HUNTER×HUNTER』といえば、長く休載が挟まれることがたびたび話題となる作品だが、いずれも「続きが早く読みたい」という箇所で物語が止まる。特に現在描かれている「暗黒大陸編」は新旧合わせて非常に多くのキャラクターが登場する、毎週の『ジャンプ』で最新話を追っていたという人でも情報を整理するのに困難を強いられるエピソードでもある。
コミックス派の人の中には「次のコミックスが出たら」と待ったあげくに、自分がどこまで読んだか分からなくなってしまったという人も多いのではないだろうか。
今回は、長い休載期間で連載を追えなくなってしまった人が多そうな、過去の印象的だった休載ポイントをまとめたい。
■キメラ=アント編終了からの「ビヨンド=ネテロ」の初登場
これまででの最も長かった休載期間は、2022年47号「No.391 衝突2」までの3年11か月。
休載直前、2018年52号に掲載された「No.390 衝突1」までは、暗黒大陸渡航中の船内で始まった「カキン王国王位継承戦」が描かれており、14人いる候補者たちとその護衛らによる謀略が複雑に絡み合っているところ。第4王子ツェリードニヒに新たな才能が発覚する展開が描かれ、気になる他勢力も登場するエピソードだ。
「衝突2」以降は9月4日に発売となるコミックス第38巻に収録されるエピソードのため、連載再開のこの機会に人物図を整理し直したいところだ。
この期間に次ぐ長期休載期間が、2012年16号から2014年26号までの2年2か月。休載直前のエピソード「No.340 特命」は、カキン帝国のホイコーロ国王が暗黒大陸への進出を宣言するという展開が描かれるもの。そして、「キメラ=アント編」で退場したネテロ会長の息子であるビヨンド=ネテロが初登場したエピソードでもあり、「ビヨンド=ネテロをハントせよ」というセリフで幕を閉じる新章の幕開けを感じさせる内容だった。
長期休載の直前、冨樫氏は『ジャンプ』の巻末コメントで「ヒキがヒキなので、なるべく早くに戻ってきたいです」と語っており、2014年27号掲載の「No.341 厄災」で連載再開。「兵器 ブリオン」「ガス生命体 アイ」などの「5大厄災」が語られる気になる内容で物語が再開されたが、重度の腰痛により冨樫氏の執筆が困難な状況のため39号からまた休載に入った。