■『飛べ!イサミ』に『YAT安心!宇宙旅行』など名作ぞろい
ストーリーがしっかりしていて印象的だった作品としては、1995年放送開始の『飛べ!イサミ』を語らずにはいられない。
しんせん組の子孫の少年少女たちが先祖の遺したアイテムで悪の組織と戦うというヒーローもののストーリーで、当時の子どもたちをワクワクさせた。視聴者の中には、この作品で新撰組の近藤勇、土方歳三、沖田総司を知ったという人も少なくないだろう。主題歌のTOKIOによる「ハートを磨くっきゃない」ではスタッフテロップやイラストがネオン調に描かれており、今振り返っても演出がオシャレだった。
1996年放送開始の『YAT安心!宇宙旅行』も多彩なキャラが魅力的なアニメだった。人類がだれでも手軽に宇宙旅行ができる時代で、主人公が行方不明の父親を探すために宇宙旅行会社「YAT」のツアーに参加するというスペースオペラものだ。
ヒロインのYAT添乗員・天上院桂は当時から大人の視聴者にも人気が高かったが、令和の今、例えば深夜アニメで放送されても間違いなくウケそうな設定とキャラクターたちのように感じる。物語の根底にある親子の愛情や親離れ・子離れというテーマも胸に刺さるものがあった。
90年代を彩った「NHK教育テレビアニメ」の数々は、タイトルを思い出すだけでも言い知れないノスタルジーが心の中で湧き上がってくるようだ。