■王太子殿下や女性からの求愛も!
オスカルのモテっぷりは大人の男性にとどまらない。なんと子どもである王太子殿下や、女性からの求愛もあるのだ。
ルイ16世とマリー・アントワネットの息子、7歳のルイ・ジョゼフは病弱な王太子である。死期が迫るころ、オスカルに対し「お馬にのりたい…」と懇願し、アントワネットの願いもあってオスカルはジョセフとともに乗馬を楽しむ。
その後、倒れてしまったジョセフを介抱したオスカル。起き上がったジョセフはオスカルに抱き付きキスをして「あなたが…すき…」と、告白するのであった。
また男装の麗人であるオスカルは、作中、多くの女性からもモテている。なかでもオスカルのことを本気で愛したのが、彼女を献身的にサポートした少女・ロザリーである。
母親を失ってからオスカルのいるジャルジェ家に引き取られたロザリー。オスカルの美しさやその振る舞いに惹かれ、本気で愛するようになるのだ。
しかし身分の違いや、作中で恋愛が実ることはなく「どんなに好き…でも…あきらめなくちゃい…けないことなの…に…」と、オスカルを想いむせび泣くこともあった。
このように男性のみならず、女性や子どもからも本気で愛されたオスカル。これほどまでに愛される人物は、まさに内外両面の美しさを兼ね備えた稀有な人物といえるだろう。
ちなみにオスカルは最初、スウェーデン貴族のフェルゼンに恋をしていた。しかしフェルゼンはアントワネットのことを愛しており、その想いは実らなかった。そう考えると、フェルゼンは主要メンバーのなかで唯一オスカルのことを恋愛的な意味で愛さなかった珍しいキャラといえるだろう。
『ベルサイユのばら』では、やり場のない恋に苦しむ姿や、愛情をストレートに表現する、情熱的な恋愛シーンがたくさん登場するので、久しぶりにドキドキしたい人もぜひ再読してほしい作品だ。