1997年から連載が開始され、25年以上の時を経て、物語は最終章へと突入した『ONE PIECE(ワンピース)』。
ずっと秘密にされてきた衝撃の事実が明らかになるなか、あらためて最序盤にあった「意味深な描写」に着目する読者もいる。
連載当時は気にならなかったけど、思い返せば「なぜそこにいたのか?」「どうしてその場所に向かったのか?」など、疑問を感じる場面は存在する。こういう謎めいた描写は、物語の重要な伏線になっている可能性も十分に考えられる。
そこで今回は物語の最序盤にあった、ふたつの「意味深な行動」を振り返ってみよう。
■シャンクスが辺境の田舎に滞在していた謎
ルフィが冒険に旅立つ数年前に「四皇」となり、ルフィにとって憧れの人物でもある大海賊「赤髮のシャンクス」。彼は、幼いルフィの命を救った恩人であり、海賊としても大先輩だが、現在ではルフィも同じ「四皇」の座につくなど、着々と距離は縮まりつつある。
そんなシャンクスの初登場シーンは、記念すべき第1話「ROMANCE DAWN」の回だ。そのなかで、シャンクス率いる赤髪海賊団はフーシャ村を拠点として1年以上活動していると語られていた。
しかし今思えば、シャンクスたちがフーシャ村のような辺境の田舎を拠点にしていたことは、少々不自然に感じる。
フーシャ村は「東の海(イーストブルー)」にあるゴア王国のドーン島にある小さな村で、ルフィの故郷だ。そしてイーストブルーは、4つある海の中でも“最弱の海”と呼ばれていた。軟弱な海賊しかいないと言われる海に、シャンクス率いる赤髪海賊団がいたのは不可解だ。
というのも、映画『ONE PIECE FILM RED』の前日譚にあたるアニメ1029話で、フーシャ村滞在時のシャンクスの懸賞金が「10億4000万ベリー」だったことが判明している。この金額は、四皇幹部クラスの大海賊並みである。
当時から有力な海賊だったシャンクスが、フーシャ村に滞在していた理由のひとつとして考えられるのが悪魔の実「ゴムゴムの実」の存在だ。
当時CP-9が輸送していた「ゴムゴムの実」をシャンクスが奪ったのは間違いない。実際、シャンクスが手元に置いていたわけで、それを幼いルフィが食べてしまったのも事実である。
しかし、すでに 「ゴムゴムの実」を奪取していたシャンクスは、「あと2、3回航海したら、この村を離れてずっと北へ向かおうと思ってる」とルフィに語っていた。
つまり「ゴムゴムの実」をゲットしたあとも、フーシャ村の近くで何かの用事があったということだ。「ゴムゴムの実」は、実は「ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”」であることが判明したが、その貴重な実との関係性も気になる。
このように悪魔の実を手に入れたあともフーシャ村に滞在していた理由が分からないシャンクス。そこには、どのような謎が隠されているのだろうか。