『聖闘士星矢』命を懸けて仲間を救う…なんと5回も死の淵から蘇った「紫龍」という男の画像
『聖闘士星矢』DVD-BOX2 ドラゴンBOX(バンダイビジュアル)

 車田正美氏の描く『聖闘士星矢』は、1985年より『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始された人気作品だ。多くのキャラクターが登場するが、なかでも作品初期から登場する主人公のペガサス星矢、ドラゴン紫龍、キグナス氷河などは人気キャラだろう。

 とくにロングヘアが美しいドラゴン紫龍は、魅力のある人物だ。友情のためなら自分の命を投げ出すシーンも多々ある。そんな紫龍、実は過去にほぼ5回も死亡しており、いずれも奇跡的にあの世から舞い戻っているのをご存じだろうか。

 今回は『聖闘士星矢』の「ポセイドン編」までに登場する、ほぼ死んだはずの紫龍が劇的に生き返ったシーンを紹介したい。

■ドラゴン紫龍は死んだ…しかし蘇る!

 まず1回目の紫龍が生き返ったシーンは、主人公の星矢と紫龍が戦う場面で登場する。

 物語序盤、紫龍は黄金聖衣をめぐる戦いで星矢と対決をする。当初は紫龍のほうが押していた戦いだったが、紫龍の必殺技である廬山昇龍覇(ろざんしょうりゅうは)をうった際に星矢がスキができガラあきになった心臓に流星拳をうたれ、紫龍は心肺停止に陥ってしまった。

 誰もが「ドラゴン紫龍は死んだ!!」と思っただろう。……が、しかし。聖闘士の拳によって停止した心臓は、反対側からまったく同じ力で衝撃を加えれば再び動くという法則があった。その後、紫龍を生き返らせるため、瀕死の星矢が放った流星拳で紫龍の心臓はまた動き出すのである。

 星矢のせいで死にかけた紫龍であったが、結局は星矢の一撃でまた生き返ることができた。この出来事もきっかけになったのであろう、紫龍はそれから星矢をはじめとした仲間のため、命を投げ出す行動が増えていくのだ。

■龍は二度死の深淵より舞い戻る!

 2回目は、紫龍が星矢のために自分の命を顧みずに行動したシーンだ。

 壊れた聖衣の修復を依頼するため、紫龍は黄金聖闘士ムウの元を訪れた。しかし修復には聖闘士の大量の血液が必要だと言われてしまう。それはつまり紫龍の命が必要ということであった。

 それを聞いた紫龍は躊躇なく手刀で自分の手首を切り、「この紫龍の赤い血によって聖衣が修復できるのならよろこんでさしあげよう!!」と、聖衣に血を注ぐのであった。体の半分の血液を失い死んだかに見えた紫龍。が、しかし。死ぬすんでのところでムウが止血し、紫龍は7日後に棺桶から見事蘇るのである。

 それにしても星矢のために自分の血液を捧げようとするなんて、なかなかできるものじゃない。しかもその後のブラックドラゴンとの戦いで再び全身から血を吹き出し「信じることのために死にたいのだ…!!」と言い、再び自分の命を友のために捧げようとしていた。

■敵も思わずビックリした3回目の蘇り

 3回目は、「黄金聖闘士編」で登場する紫龍が蟹座のデスマスクと戦うシーンにある。

 デスマスクは地上の霊魂があの世へ登る“積尸気冥界波”を紫龍に放ち、紫龍の肉体は仮死状態になってしまう。あの世へ向かう行列に氷河を見つけ、すっかり死の世界へ入り込んだかに見えた紫龍。が、しかし、“むこうにいってはいけない”と、アテナの化身となった沙織に呼び止められ、紫龍の魂は肉体へ戻るのであった。

 紫龍が死んだと思っていたデスマスクは「紫龍が生きかえったーっ!!」と、びっくり仰天。それに対し紫龍も「オレは過去において 二度も死の入口からまいもどってきたことがあるんでね」と返している。

 3回目にもなると、紫龍自身も死の淵から蘇る自分にちょっと慣れている様子が面白い。ちなみにこの戦いで紫龍は目が見えにくい状態にあったが、戦い終わった後は目がすっかり見えるようになる奇跡も起こしている。

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