『みどりのマキバオー』や『少年アシベ』も…有名漫画作品の「続編」で描かれていた人気キャラクターたちの“その後”の画像
アクションコミックス『少年アシベ』第1巻(双葉社)

 有名漫画のなかには、その高い人気から“続編”が登場している作品も多い。なかには、前作で活躍したキャラクターたちの“その後”の姿が描かれることも珍しくはなく、意外な姿に驚いてしまうことも。そこで今回は、有名漫画作品の“その後”の展開について見ていこう。

■異国の地で余生を過ごす伝説的競走馬…『みどりのマキバオー』

 1994年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、つの丸氏の『みどりのマキバオー』は“競馬”という競技をテーマに勝利を目指して躍進する競走馬たちと、彼らを取り巻く人間たちの友情や葛藤を描いた作品だ。

 小さく真っ白な体で生まれたのん気な馬・ミドリマキバオーを主人公に、彼が一流の競走馬として世界へ挑んでいく姿を、熱く、突き抜けたギャグを交えながら描いている。

 本作は動物と人間が言葉によって意思疎通を図れるのが特徴で、マキバオーのライバルとなる競走馬たちも個性的。ギャグに合間にときにシリアスでドラマチックな展開に、読者は夢中になった。

 その後、1998年『赤マルジャンプ』(集英社)にて“完結編”が描かれたのだが、2007年からは『週刊プレイボーイ』(集英社)にて、正式な続編である『たいようのマキバオー』の連載が始まった。

 本作ではミドリマキバオーの半妹であるマキバコ最後の産駒・ヒノデマキバオーが新たな主人公として活躍しており、前作の主人公・ミドリマキバオーも、たびたび回想シーンなどで登場している。

 作中で明確に“その後”が描かれたのは、物語中盤だ。マキバオーは各国でのレースやトレーナーとしての活躍を経て、最終的にはモンゴルへと辿り着き、余生を過ごしていた。

 モンゴルといえば、前作『みどりのマキバオー』で特訓をおこなった地としても有名で、彼が新走法・“マスタングスペシャル”を会得した、ファンにとっても馴染み深い場所である。

 古傷の影響から現役は退いたものの、トレーナーとして時折レースの場に顔を出しているようで、いまもなおレースに対しての情熱が消え去っていないことが見て取れる。

■容姿、道具、立ち振る舞い、何もかもを受け継いだ新たな“店主”…『xxxHOLiC』

 2003年から『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて連載された『xxxHOLiC』は、女性漫画家集団・“CLAMP”が手掛ける、現代ファンタジー作品だ。対価に応じてどんな願いも叶える不思議な“ミセ”を舞台に、さまざまな人間が抱く悩みや欲望を、“アヤカシ”と呼ばれる人ならざる存在を交えながら描いている。

 どこか恐ろしくも美しい独特の世界観が魅力の本作は、2009年にはタイトルを『xxxHOLiC・籠(ろう)』に改題し、新たな物語が展開されている。

 それまでの物語では“ミセ”の店主である壱原侑子とともに、“アヤカシ”が視える特殊体質の青年・四月一日君尋が主人公として活躍していくのだが、『xxxHOLiC』の終盤で侑子は闇に飲まれ、消滅してしまう。

 キーパーソンが欠けてしまった状態で物語は『xxxHOLiC・籠』へと移り変わっていくのだが、以降は君尋が“ミセ”の店主を受け継ぎ、新たな主人公として活躍していくこととなる。

 登場初期は感情表現の豊かな高校生だった君尋だが、“ミセ”を継いでからは侑子同様にどこか憂いを帯びた表情が目立つようになり、性格も大きく変化している。侑子が使っていた“キセル”で喫煙したり、侑子の着物を自分用に仕立て直して着用したりと、なにからなにまで店主であった侑子を受け継ぐ形となった。

 まさに侑子が乗り移ったかのようなその強烈な変化に、驚いてしまった読者も多いかもしれない。

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