■危機的状況から逃れるのに最適な太陽拳
最後に紹介したいのは、これも『ドラゴンボール』なら定番と思えるほど、いろんなキャラが使用している太陽拳だ。こちらは鶴仙流から派生した「新鶴仙流」の技で、天津飯が編み出したものである。単純な目くらましという、強さにはまったく関係ない技だが、ピンチの場面で何度も活用されている。
悟空はベジータとの戦いで、元気玉の準備をするための時間稼ぎに使っていた。クリリンはドドリアからの追撃から逃れる時に使用し、危機を脱出している。他にもセルまで太陽拳を使って逃げていたので驚かされた。
圧倒的強者はこのような技を使用しないかもしれないが、クリリンのように周りが強者ばかりの状況では、こういったトリッキーな技が重要となる。しかし、だからといってカッコ悪く見えないのもポイントだ。使用する姿がスタイリッシュに見えてしまうのが太陽拳の特徴でもある。
これはもともと天津飯の技だが、悟空やクリリンの使用頻度が多いので、それを知らない人もいるようだ。太陽拳登場前にクリリンが悟空に対し、自分の頭を反射させて目くらましをしていたので、彼が技の考案者と勘違いされてしまっているかもしれない。
今回振り返ってきたように、鶴仙流は『ドラゴンボール』に必要不可欠な技を多く生み出してきた流派である。もし、鶴仙流の技が無ければ、本作はあそこまで盛り上がっていなかったかもしれない……?