『ドラゴンボール』どどん波に舞空術… 実は亀仙流よりも優秀?鶴仙流の技のスゴさを振り返るの画像
『DRAGON BALL』 #23(DVD)

 鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、新シリーズ『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』が、2024年10月よりフジテレビで放送されることが決定した。新たな世界観で繰り広げられるストーリーは、ファンにとってたまらないだろう。

 そんな『ドラゴンボール』で今回注目したいのが、鶴仙流だ。これは亀仙人のライバル鶴仙人が作り上げた武術の流派だが、あまり良いイメージはない……。

 ただしそれは使い手であるキャラたちが、悟空の敵役として現れたからだろう。純粋に技だけで見ると、鶴仙流は亀仙流と比べてもかなり優秀なのかもしれない。技の引き出しが亀仙流よりも多く、特徴もさまざまだからだ。

 そこで今回は、鶴仙流の技のスゴさについて改めて振り返っていきたい。

■桃白白や天津飯が見せた斬新な気功波

 悟空が手も足も出せずに敗北した最初の強敵といえば、世界一の殺し屋桃白白だ。思い返してみれば、桃白白との戦いから気功波にバリエーションが増えた気がする。

 その技のひとつがどどん波で、かめはめ波に対抗するものとして登場した。指先に一点集中をして放つ技で、かめはめ波のように広範囲に繰り出されることはない。しかし、その威力は強力で、速度と命中率は凄まじかった。食らった悟空もドラゴンボールを懐に忍ばせていなければ死んでいたはずだ。

 どどん波と同じように指先から繰り出される必殺技に魔貫光殺砲がある。威力は比べ物にならないが、ピッコロもここからヒントを得た?と思えてしまうほどこのふたつは似ている。

 そんな鶴仙流の気功波はどどん波だけではない。天津飯の使う気功砲もかなり斬新な技といえる。悟空との初対決の時に披露された気功砲の威力には誰もが驚いただろう。狙いを定めた武舞台を一瞬で消し飛ばしてしまったからだ。

 人造人間・セル編では圧倒的な戦力差があった第2形態のセルに対して、天津飯が新気功砲を何度も放つことで足止めに成功していた。まさか天津飯の技がセルに通用するとは……と驚いた人も多いだろう。

 鶴仙流の気功波の特徴としては、一点に集中させた力の威力が挙げられる。特に気功砲はそこに特化しているから、格上相手に通用する技になっているのだろう。

 どどん波にもスーパーどどん波という上位版があるが、指先から出している訳ではないので、どちらかというとかめはめ波に近い。こちらはあっさりと気合だけでかき消されてしまったので、もっと昇華した技として登場してほしかった。

■誰もが当たり前のように使うようになった舞空術

『ドラゴンボール』の世界で当たり前のように使われている舞空術も、実は鶴仙流の技である。悟空たちは最初誰も空を飛ぶことができなかった。それを変えたのが、天津飯や餃子(チャオズ)が使っていた舞空術だ。

 ちなみに桃白白は鶴仙流だが舞空術を披露する場面はない。その代わり、目的地に向かって石柱を投げ、それに飛び乗って空中移動というあり得ない方法を取っていた……。

 悟飯が舞空術をビーデルと悟天に教えていた時の様子からも分かるように、この技は気のコントロールが大事なようだ。チャオズにも出来ていたので、強さとは関係なく繊細さが必要らしい。

 もし舞空術がなければ、『ドラゴンボール』の世界であそこまでスピード感は出せなかったはずだ。空中でのバトルや移動に使用することで、展開の描写に幅の広さが生まれたのではないだろうか。

 悟空がピッコロ(マジュニア)との天下一武道会の戦いで、最後の切り札として舞空術を使用した時は震えてしまった。それまでは悟空が舞空術を使えないように描かれていて、見事な伏線回収に思えたからだ。

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