■転落人生を歩んでしまった元世界チャンピオン…ギャップが激しいロビンマスク
最後は初登場からカッコよかったロビンマスクだ。第20回超人オリンピックのエピソードで前回チャンピオンとして登場し、序盤から佇まいがちょっと違っていた。
そんな彼は、決勝戦でキン肉マンに仮面を取られて動揺してしまう。さらにマスクが割れて流血したのをきっかけにキレてしまい、リングに倒れたキン肉マンの背中に仮面のツノを何度も突き刺す暴挙に出る。テリーマンやミートくんは反則ではないと言い切っていたが、いやどう見ても反則じゃん……。
その後、決め技のタワーブリッジでキン肉マンの背骨を折った……はずが、油断したロビンマスクはキン肉マンに3カウントで逆転負けを喫する。
表彰式ではファンだったイギリス人たちにブーイングを浴びせられ、国外追放で放浪の旅に出たロビンマスク。その後はアフリカで動物管理の仕事に就くも、超人世界チャンピオンの座を諦められずに、妻のアリサを置いて一人流浪の旅に出るのだ。アフリカまでついてきたのに置き去りにされる妻って可哀想……。
そしてアメリカに渡り、遠征中のキン肉マンにリベンジ戦を図る。超人同盟に捕まったキン肉マンに牛丼を差し入れる(しかも「養老の滝」のものという通ぶり)など優しい一面も見せていた。
二人の試合が開催された会場は、グランドキャニオンに設けられた1600mの高さにある特設リング。ロビンマスクは非情になってキン肉マンを追い詰めていく。
しかし、2人の抹殺を図る超人同盟(おもにスカル・ボーズ)によってプロペラ機がリングに墜落させられ、ロビンマスクはキン肉マンをかばって致命傷を負う。しかもそのリングが爆破され、谷に転落してしまったのだ。
こうして戦えない身体になってしまったロビンマスクは、ウォーズマンを見出し格闘術を叩きこんだ師匠・バラクーダとして再登場。第21回超人オリンピックでは非情な振る舞いを見せ、その正体がロビンマスクと知ったときはショックだったものだ。
さらに、超人オリンピックが終わったあとの振り返りのコメントで、ウォーズマンを「うすのろ野郎」と罵っていたのがショックを上乗せしてくれる(後に訂正されていたが)。
でもその後の7人の悪魔超人編では、しれっとアイドル超人の仲間入りを果たしてカッコよく登場。数々の所業をなかったことにされているのだが……ま、いいか。
今回紹介したのは、『キン肉マン』に登場する正義超人の中でもとびきりメインキャラの3人だが、実は結構キャラ変されている。少年誌で連載されていた当時、後半になるとほとんど設定を忘れていたほどだったが、今振り返ると相当なキャラたちだったものだ。