■マキノの子どもの父親は誰なのか?

 そうなると、必然的に父親の可能性があるのはシャンクス、エース、サボあたりに絞られそうだ。このなかで一番可能性が薄そうなのはエースだろうか。

 マキノが赤ん坊を抱っこしていた扉絵は、ルフィたちが2年間の修行期間を経て、復活したことを喜ぶフーシャ村の様子を描いたもの。そのときマキノが抱いていた赤ん坊は、どう見ても1歳未満の乳児だった。

 そうなると、2年前に死んだエースが父親だと計算が合わない。エースの母親のルージュは20か月も赤子をおなかに宿し続け、出産後に命を落としたが、さすがにマキノが何年も子を宿していたとは思えない。それにエースは自分が海賊王の血を引いていることを恨んでいたので、子を残すという考えはなさそうな気もする。

 次にサボだが、彼は長らく記憶を失っていたこともあり、何からの理由でフーシャ村に行ったとしても不思議はない。そのときマキノに再会した可能性もありうる。

 それに漫画に描かれたマキノの子は、サボに似たクセっ毛であることや、サボが生死不明というニュースが出回った際に、マキノが子どものそばで「サボ君が……」と肩を震わせて泣いているシーンがわざわざ描かれたのは意味深だ。

 ただ、マキノが赤ん坊を抱っこした扉絵が描かれたのは魚人島編の614話のことで、回想でサボは登場済みだったが、最後は死んだかのような描かれ方をしていた。サボの生存がはっきり描かれたのは731話なので、当時生死不明だったサボを、作者の尾田氏が自ら「あの人かなー」と匂わすのは少々考えにくい。

 となると、大本命はやはり「赤髪のシャンクス」だろう。シャンクスはマキノと交流があり、マキノは山賊に対するシャンクスの姿勢に好感を抱いている様子も描かれていた。

 そしてマキノの子どもの髪色はアニメではマキノと同じ緑色だが、コミックスのカラー版の扉絵では、シャンクスに似た赤系の色になっていた。

 何より、マキノに子どもがいると判明したときに「父親はシャンクスでは?」と思った読者は多いはず。そうであれば、尾田氏の「やはり、あの人だろうなー」という言い方は、「読者の想像通り」と肯定しているようにも見える。

 ただし、シャンクスはエースの死後、「偉大なる航路(グランドライン)」に向かった描写があるので、いつフーシャ村に立ち寄ったのかは謎に包まれている。

 ほかにも赤髪海賊団のクルーをはじめ、いろんな候補が考えられるが、やはり現時点で一番可能性が高そうに思えるのはシャンクスだろう。しかし、尾田氏はこれまで作中で多くのミスリード的な手法を使ってきたので「シャンクスと思わせて実は……」ということも十分ありえる。今後、マキノの子どもの父親が明らかになる日が楽しみでならない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3