■ワンパンでKO…『バキ』刃牙V S アライJr.
最後は、板垣恵介氏による『バキ』(秋田書店)での刃牙とマホメド・アライJr.との戦いだ。アライJr.は刃牙と戦うため実戦を重ねることになり、愚地独歩、渋川剛気、ジャック・ハンマーといった猛者にストリートファイトを挑んだ。
しかし、実戦は試合とはまるで違い、アライJr.は痛い目を見て、実戦の怖さを知る……。それによって命を懸けて戦う覚悟を学び、刃牙の前に挑戦者として現れた。
試合前にアライJr.が生まれ変わった姿を見た面々は、全員が口を揃えてアライJr.が勝利すると話している。恐らく、これまで足りなかった死線を超える経験ができたからだろう。それに加えて独自のファイティングスタイル「マホメド・アライ流拳法」もある。
その後、刃牙が倒されるのでは?という空気の中で試合開始。しかしアライJr.が攻撃を仕掛けると、刃牙はそれを避けて殴りつける。その攻撃を食らったアライJr.は倒れて数秒間気絶……。まさかのワンパンで試合が決まってしまったのだ。
そして、相手が立ち上がるまで待った刃牙に対し、アライJr.は「殺ラレズニ殺ル!」と覚悟を決め戦いを再開するも、それを聞いた刃牙は、間髪入れず股間に向かって強烈な一撃を放つ。これによってアライJr.は立ち上がれなくなるのだった。
まさかの二度の瞬殺……。命のやり取りを理解していないアライJr.に対して、厳しい洗礼といったところだろう。誰もがアライJr.の勝利は確実と予想していたのにあっさりと覆された。あれは一体何だったのだろう?
瞬殺バトルに持っていくまでの過程はとても重要だ。そこで瞬殺シーンの盛り上がりも変わってくると思う。
バトルではないが、原作:稲垣理一郎氏、作画:村田雄介氏による『アイシールド21』のパンサーがモーガンとの一騎打ちで、あっさりとボールを奪い取るシーンも“瞬殺”のようで好きだった。
爽快な展開にスカッとさせられる瞬殺バトル、これからもいろんな作品で描かれるのが楽しみだ。