漫画やアニメには、些細ではあるが余計なことをしたせいで大惨事を引き起こすキャラがしばしば登場する。
「あの時あいつが余計なことをしなければ……」そんな印象が強いせいで、たびたびネタにされてしまうほどだ。大体はモブキャラだが、メインキャラの中にもそういうことをしてしまう者はいる。
個人的な見解としては、その後の展開が盛り上がるのは嬉しい。しかし、同じ世界に生きるキャラたちからすれば大迷惑だろう。そんな風にあれこれ想像が広がるのも面白いところだ。
そこで今回は、些細だけど余計なことをして大惨事を作り出してしまったキャラを紹介していきたい。
■とんでもないやらかし…『ドラゴンボール』孫悟飯の大誤算！
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』（集英社）にはいろんな「戦犯キャラ」が登場する。中でも孫悟飯はかなりやらかしている……。
そのひとつが「人造人間・セル編」での最後の戦いで見せた覚醒直後の行動だ。セルは悟空を圧倒する力を見せつけ、誰もが勝てないと思わせてしまう。そんなセルに対抗できるのが悟飯だと信じた悟空は、彼をセルと戦わせる。その中で悟飯はセルによって怒りのパワーを引き出され、覚醒。状況が逆転することになる。
しかし、悟飯はいつでもセルを倒せるという自信からつい慢心してしまう。悟空が早くとどめを刺せと話しても「あんなやつはもっと苦しめてやらなきゃ…」と返す始末だ。その姿はこれまでの悟飯と同一人物とは思えなかった。
追い詰められたセルは、自爆を決断し、体は数倍に膨れ上がって衝撃を与えただけでも爆発するという状態になった。それを見た悟空はやむを得ず、セルと一緒に瞬間移動で界王星まで移動すると、そこで爆発して死んでしまった。
「ボ…ボクのせいだ…」と悟飯自身も後悔しているように、ここでは悟空が無駄に死んでしまったように思えた。さらにセルは爆発の後も運良く生き残り、回復したために強さが倍増してしまうのだった。
その後、悟飯は天界からの悟空の声に支えられセルを撃破するのだが、「悟空の死」という展開だけ見ると、悟飯のやらかし感は否めない……。
■大惨事を引き起こした…『ドラゴンボール』魔神ブウの可愛がっている犬を撃ったモブ
次も『ドラゴンボール』の一幕となるが、これはかなり有名な例だろう。「魔人ブウ編」でブウが覚醒するきっかけを作ったのが、名も無いモブキャラとその召使い。しかもそいつらは、混乱に乗じて人を的にして射撃を楽しむ外道である。
そんなふたりがやらかしたのは、ブウが可愛がっていた犬・ベエを撃ったことだ。さらに続けてそばにいたサタンとブウに向けてもミサイルランチャーを放った。こうして大切なものを傷つけられたショックで、ブウのこれまで抑えていた感情が爆発し、その中にある純粋悪が解放されてしまう。
純粋悪のブウは破壊だけを考え、これまでの無邪気な状態とは比べ物にならないほどの強さを持っている。しかも話を聞き入れることもしないので、まったく手がつけられない……。そのため、あっという間に地球人が滅ぼされる結果となった。
もはや大惨事という言葉でも済ませられないほどの悲劇が起こっており、あのモブキャラたちの罪は重い。しかし、その一方であのまま何事もなく話が進んでしまったとしたら、悟空たちの成長した強さも見られなければ、ウーブの登場もなかったかもしれない。
それを思えば、展開の上では重要な役割を果たした……と言える気もする。
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