夏になるとスタジオジブリ作品を見たくなるのは筆者だけではないはずだ。今年も『金曜ロードショー』(日本テレビ系)でジブリ作品の再放送が予定されており、8月23日には『となりのトトロ』、8月30日には『天空の城ラピュタ』とワクワクするようなラインナップが並んでいる。
今回はそんな放送を前に、ジブリ作品のエンドロールで描かれていた“少し先の未来”をご紹介しよう。
■母が退院したあとの生活?『となりのトトロ』
1988年に公開された『となりのトトロ』。月日を経ても色あせることのない、言わずと知れた名作だ。
幼い姉妹のサツキとメイが不思議ないきもの・トトロと出会い繰り広げられる心あたたまるストーリーが魅力の本作。まだ4歳のメイが迷子になり、途方に暮れたサツキがトトロに助けを求めてからのクライマックスは、大人になっても胸が熱くなる。
そんな本作のエンドロールでは『となりのトトロ』の曲に合わせ、可愛いイラストが次々と登場する。そのなかに、物語の結末から少し先の未来を描いたイラストが描かれていた。
タクシーから降りたお母さんに走り寄るサツキとメイ。そして、一緒にお風呂に入ったり、同じ布団で絵本を読み聞かせてもらったりと、親子の優しい日常の姿を見ることができる。
母親の入院で離れ離れに過ごすことになった親子。新しい家に移り住んでからもサツキとメイの言葉の端々に「お母さん」というワードが登場しており、二人が母親の帰りを待ちわびていたことがわかる。
エンドロールで描かれた物語の“その後”では、メイはもちろん、姉としてたくさん我慢してきたであろうサツキがお母さんに甘えている姿が印象的だ。
そのほかにも、草壁家の“その後”の生活を垣間見ることができるエンドロール。ぜひ最後まで見てみてほしい。
■腐海のその後はどうなった? 『風の谷のナウシカ』
1984年公開の『風の谷のナウシカ』は、スタジオジブリの前身であるトップクラフトが制作した、ジブリの出発点ともいえる作品だ。
“腐海”に侵食された世界で菌類が放出する瘴気と、腐海が生んだ巨大な蟲に怯えながらも生き延びてきた人間たち。そのなかで「腐海」の謎に迫ろうとするナウシカは、人間の醜い争いに巻き込まれていく……。
壮大なスケールで描かれた本作は、宮﨑駿監督原作の漫画をアニメ化したもので、全7巻にもおよぶストーリーの2巻の途中までの内容となっている。そのため、映画では漫画とは違ったストーリーを見ることができるのも面白いところだろう。
本作のクライマックスは、ナウシカが怒り狂う王蟲の群れに立ち向かうという、手に汗握る展開が描かれている。そしてエンドロールではナウシカの勇敢な行動により救われた人間たちのその後の様子が、クレジットとともに紹介されている。
エンディングテーマの『鳥の人』に乗せ、それぞれのキャラの旅立ちの模様が見られるのだが、最後にナウシカのゴーグルとともに、腐海の砂に1本の植物が生えているシーンが映し出される。
それまで生き物を殺してしまうと言われていた“腐海”だが、作中、ナウシカはその本当の役割にたどり着いた。そんな彼女が見つけた真実を表すように、植物がひっそりと生えている。
“腐海”がその後どうなっていくのか、明るい未来を信じずにはいられない美しいエンドロールとなっていた。