Mk-IIに試作2号機にGAT-Xシリーズも… 「ガンダムは盗むもの…!?」歴代シリーズで描かれた最新鋭モビルスーツ「強奪の歴史」 の画像
DVD版『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 アニメ『機動戦士ガンダム』のファンの間でよく語られる「ガンダムは盗むもの」というお約束ネタ。歴代の『ガンダム』シリーズを振り返ってみると、まずは第1作『機動戦士ガンダム』の第1話で主人公アムロ・レイが勝手にガンダムに乗り込んでいる。

 以降も、続編である『機動戦士Zガンダム』のガンダムMk-IIが強奪されるなど、どの作品でも誰かがガンダムを奪ったり、無断で乗ったりしているありさまだ。今回はそんな盗まれたガンダムたちに焦点を当てて解説していきたい。

■5分の4が盗まれて大惨事「G兵器」強奪事件

 まずは『機動戦士ガンダムSEED』から、地球連合軍がモルゲンレーテ社の力を借り秘密裏に開発していた最新鋭のモビルスーツ「GAT-X」シリーズの強奪だ。

「G兵器」とも呼ばれる同シリーズは、デュエル、バスター、ブリッツ、イージス、ストライクからなる5機のモビルスーツ。実弾兵器を無効化するPS装甲(フェイズシフト)を搭載した機体で、完成すればザフト軍相手に大きな活躍が期待されていたが……物語が始まって早々、ザフト軍のクルーゼ隊により鮮やかに強奪されてしまうのだ。

 主人公のキラ・ヤマトが乗るストライクガンダムだけがかろうじて強奪を免れたが、それでもそれ以外の4機はザフト軍の手に。

 最終的にブリッツはストライクに撃破され、イージスは自爆。ストライクもドミニオンの攻撃で爆散してしまう。

 デュエルは終戦後、地球連合軍に返還されるも、2024年1月に公開された劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』にて再登場。核エンジンを搭載したデュエルブリッツガンダムとして生まれ変わった。バスターも同様に大幅改修されライトニングバスターガンダムとして同作に登場。奪われた2機が長年大切に扱われるのは何とも面白いところだ。

 ちなみにテレビシリーズ続編である『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、ザフト軍が開発していた3機のガンダムを、今度は逆に地球連合軍が強奪している場面がある。

「奪い」「奪われ」を繰り返す『SEED』シリーズのガンダムたち。ちゃんと想定したパイロットに乗ってもらえた機体は幸せ者なのかもしれない……?

■民間人に奪われるのはさすがに…キレた少年が勝手に乗った「ガンダムMk-II」

 こうしたガンダムの強奪は昭和に放送されたシリーズから受け継がれてきたもので、前述したように、『機動戦士Zガンダム』では、シリーズ2作目にしてさっそく「ガンダムは盗むもの」というお約束が見られる。

 物語の序盤で、地球連邦軍の精鋭部隊・ティターンズの最新鋭機である試作型モビルスーツ「ガンダムMk-II」が、反地球連邦組織・エゥーゴにまさかの強奪をされる。これが、ティターンズ崩壊への第一歩となったと言っても過言ではない。

 きっかけを作ったのは、ジェリド・メサ中尉。彼が搭乗していた3号機は、不時着後に放置されていたところを、当時はただの民間人だった主人公カミーユ・ビダンの気まぐれ……というか、八つ当たり的な感じで奪われてしまうのだ。

 さらに、味方が搭乗していると誤認したカクリコン・カクーラーの2号機までもが鹵獲されてしまうのだからもう救えない。あげく、1号機もエマ・シーン中尉がティターンズから寝返った際、手土産かの如くアーガマにプレゼントされてしまう。

 こうして、3機のガンダムMk-II全てがエゥーゴの手に渡るという大失態を演じたティターンズ。後に奪還に成功するものの、再び全機をエゥーゴに取り逃がすという「二度強奪」というおまけ付きである。

 シリーズでも類を見ない「3機のガンダムを2回奪われる」という強奪劇がもたらした影響は甚大だった。

 結局ティターンズはMk-IIの量産を断念せざるを得なくなったのだ。一応、その後はMk-IIの設計を受け継いだバーザムが開発されるものの、その活躍は……お察しの通りである。

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