■バレーボールで倒す!? 『サインはV』江川ゆかのアタックは怪獣レベル?
ふたりめの超スゴい地球人は、第50話「怪獣サインはV」に登場した「ユキ」という女性です。
この回では『ウルトラマンタロウ』と同じく、TBSで放送中だった人気ドラマ『サインはV』とのコラボが実現。ヒロインの江川ゆか役を演じていた坂口良子さんが、バレーボールが得意な女性・ユキ役としてゲスト出演しました。
この回に登場したのは怪獣ガラキング。ガスタンクで球遊びをするほどボールが大好きで、「球好き怪獣」とも呼ばれています。
ガラキングが現れた際に、ユキは転んだ子どもを抱えて老人ホームに避難。そこで子どもたちにバレーボールを教えながら過ごします。
すると、あさっての方向に飛んでいったバレーボールに誘われ、再びガラキングが出現。勝気なユキは、ガラキングに「ボールを返せ」と怒鳴りつけ、それをきっかけにガラキングとのバレー勝負に発展しました。
ガラキングが投げつけるボールをユキはことごとくレシーブし、それを息を飲んで見守る光太郎たち。長らく続いたラリーの最後に、ユキの渾身のサーブがガラキングの体に直撃。なんと体重2万9000トンもあるガラキングを転倒させたのです。
さすがに怪獣を倒しはしませんでしたが、ただのバレーボールで怪獣を転ばせたのは快挙と言えるでしょう。
ちなみに、その後タロウと戦ったガラキングは戦意を喪失。ユキの「殺さないで」という願いを聞いたタロウは、丸くなったガラキングの体をバレーのサーブの要領で宇宙に送り返しました。
■大人にも負けない! 怪獣に立ち向かった勇敢な子どもたち
怪獣に一歩も引かない驚異の一般人が目立つ『ウルトラマンタロウ』では、実は子どもたちもすごかったりします。
第28話「怪獣エレキング 満月に吼える!」では、ターザン、孫悟空、猿飛佐助を名乗る3人の少年がエレキングを挑発。その挑発に乗ったエレキングが転倒した際に、ツノにロープを引っ掛けて動きを封じました。
さらに少年たちはパチンコを発射してエレキングの顔面に命中させますが、さすがに倒すには至りませんでした。
ただし、少年たちがエレキングのツノにかけたロープをタロウが活用し、エレキングを撃破。結果的に3人の少年たちは、タロウの大きな手助けをしたかたちになりました。
また、第32話「木枯らし怪獣! 風の又三郎」の回では、嵐とともにやってきた怪獣グロンに少年たちが立ち向かいます。
転校生のドンちゃんと健一少年はグロンにつかまり、人質にされてしまいます。ZATが手出しできないなか、ドンちゃんと健一は持っていた三角定規と傘をグロンの体に突き刺し、怯ませました。
さらにふたりは、傘をパラシュート代わりにしてグロンの頭上から降下。ちなみにグロンの身長は60メートルあります。
怪獣に決定的なダメージは与えられませんでしたが、勇敢に立ち向かったふたりの行動力は称賛に値します。それにしても怪獣の皮膚を突き破り、出血させた三角定規の破壊力には驚きです。
怪獣が出現すると、ウルトラ兄弟がやってきて倒すのが「ウルトラ」シリーズのお約束。しかし『ウルトラマンタロウ』では、守られる側の一般人も、到底人間とは思えない驚異的な強さを見せました。
海野さんは「ZATだってそのうち、ウルトラマンタロウ以上の力を持つだろう」と言っていたので、いつか地球人の手で怪獣をやっつける『ウルトラマン』シリーズが見られるかもしれませんね。……あれ? それって『ウルトラQ』のこと?