■動けないパートナーを戦力にするための策だった「ロングホーン・トレイン」
最後は夢の超人タッグ編で2000万パワーズが魅せた「ロングホーン・トレイン」だ。2000万パワーズといえば、バッファローマンとモンゴルマンという剛柔合わせ持つコンビ。
1回戦に乱入した殺人遊戯コンビとの対戦では、ケンダマンにいいようにやられてしまい、両足を痛めてしまったバッファローマン。一時は逆転勝ちかと思われたが、残虐さをあらわにした相手に劣勢となってしまう。
ついに仰向けにダウンしてしまったバッファローマン。そこへ両手両足をドリルに変身させたスクリューキッドがバッファローマンを目がけて飛び乗り、両腕と両足を串刺しにしてしまう。
動けなくなったバッファローマンに残されたのは、自慢のロングホーンだった。瀕死の状態でも戦意を失わないバッファローマンに感銘を受けたモンゴルマンは、“たとえ負けて死のうとも 地獄の階段は自分がおぶって降りてやる!”と、ともに戦いを続行。
ここでとどめの「地獄のネジ回し」を仕掛けるケンダマンとスクリュー・キッド。だが、そのタイミングを見計らってモンゴルマンがバッファローマンを背負って繰り出したのが、必殺技「ロングホーン・トレイン」だ。結果、ロングホーンが相手の胸を突き刺し、見事な逆転勝利を遂げた。
スピード感がない、バッファローマンが下になったほうが威力はあるなど、ファンのあいだで何かと話題になるこの技だが、実際には動けなくなったパートナーを背負って戦いに挑むという2人の絆から生まれた感動の必殺技だった。
『キン肉マン』にはここで挙げた以外にも、多くの魅力的な必殺技が登場している。読者を魅了する必殺技はやはりどれもカッコ良く、当時も今も観る者を楽しませてくれる。
また機会があれば、今度は違う魅力のある必殺技を紹介していきたい。