■しんのすけが自由に動けるのは、ひろしとみさえがいるから
――今回の映画最新作『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』は、どのようなお気持ちで臨まれましたか。
小林 しんちゃんオタクの私としては……実は、みんなが観る前に台本を見られるという喜びがあるんですよね。完全にオタク目線なので、プロとしてはそんなところに喜びを感じていてはいけないんですけど(笑)。ただ、今回も台本が本当に面白い。
とくに、しんちゃんと風間くんのやりとりは今回も萌えるわーって思いました。どんなしんちゃんのボケにも、これ以上ない的確かつ鋭い突っ込みを必ず入れてくれる風間君には、信頼しかありません。そして、そんな親友・風間くん、さらに野原家の良心・シロを演じてくださっている風間くん役の真柴摩利さんにも信頼しかありません。掛け合いが本当に楽しいです。
――今回の映画で注目してほしいキャラクターはズバリ誰ですか?
小林 全員に注目していただきたいのですが、あえて一人選ぶとしたらマサオくんです! 彼はうちのエースなので(笑)。あと、ボーちゃんが恐竜好きで活躍するというのも素敵でした。ボーちゃんが、好きな恐竜のことになると、いつもよりもちょっと早口になる(笑)。いまだかつてない饒舌さが見られたのはすごく嬉しかったです。あとネネちゃんも今回はすごく凛々しくて。5歳だけど「姐さん!」って呼びたくなるような迫力がありました。
あと、野原家のみんな……とーちゃん(野原ひろし)とかーちゃん(野原みさえ)は今回もカッコいい! しんのすけが自由に動けるのは、とーちゃんとかーちゃんがいるからなんだよなとあらためて感じましたね。そしてひまわりの癒しは絶大です。
それは収録の現場でも同じで、とーちゃん役の森川智之さんと、かーちゃん役のならはしみきさん、ひまわり役のこおろぎさとみさんがいるから、私も自由にお芝居ができています。今回の収録現場でも、大人たちが全力でふざけているので、本当にもう楽しいアフレコ現場でした。しんのすけたちのひと夏の思い出が伝わるといいなと思っています。
――小林さんにとって『クレヨンしんちゃん』の魅力とはどんなところですか?
小林 ずっと面白いというのが最大の魅力ですね! 観ているだけで笑っちゃう。しんちゃんの存在そのものが、みんなを笑顔にしてくれるんです。それはしんちゃんだけじゃなくて、カスカベ防衛隊のメンバーも、とーちゃんとかーちゃんも同じく笑顔にしてくれる。『クレヨンしんちゃん』の世界にいるキャラクターみんなが、あの世界に生きている感じがして、愛おしく思えるんですよね。
【小林由美子プロフィール】
6月18日生まれ、千葉県出身。1998年に声優デビュー。おもな出演作に、『ピースメーカー鐵』『焼きたて!!ジャぱん』、『デュエル・マスターズ』シリーズ、『鬼灯の冷徹』などがある。2018年からは『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役に起用された。