『NARUTO』ナルトや『ONE PIECE』ルフィも…『週刊少年ジャンプ』「覚醒シーンがかっこよすぎた主人公」の画像
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 1968年に創刊(当時は月2回発売)された『週刊少年ジャンプ』(集英社)からは多くの名作が誕生し、いまだに多くの人を魅了し続けている。中でもバトル漫画は鳥山明さんの『ドラゴンボール』をはじめ、累計発行部数が1億部を超える大人気作品も多い。

 そんなバトル漫画の王道展開のひとつに、主人公の覚醒による逆転劇というものが挙げられる。これまで絶対に敵わないと思った相手を圧倒するシーンは、見ているだけで胸を熱くさせられてしまう。

 例えば、『ドラゴンボール』の悟空が超サイヤ人になった時はまさに衝撃的だった。それまでフリーザの力の底が見えず、絶望しかなかったからだ。それを一気に覆してしまう展開には思わず震えたものである。

 そこで今回は、『週刊少年ジャンプ』に登場する主人公キャラの覚醒がカッコよすぎるシーンを紹介したい。

■暴走状態に戦慄…『NARUTO』ナルトの九尾化

 岸本斉史さんによる『NARUTO-ナルト-』の覚醒シーンはかなり衝撃的だった。それは、うずまきナルトが初めて九尾の力を解放したシーンだ。

 ナルトには尾獣である九尾が封印されていて、初期の頃はその力を使いこなすことなどとてもできず、ただ単に里の人間に嫌われる原因でしかなかった。そんな九尾の力が初めて活かされたのが、霧隠れの里の抜け忍・白との戦いである。

 ナルトたち第7班の初めてのCランク任務でもあるこの戦いは、明らかに戦力の差がありすぎた。白は「血継限界」の持ち主で戦闘経験も豊富。そのため、ライバルのうちはサスケと共闘して2対1の戦いでも全く歯が立たなかった。

 そんな中、サスケはナルトを庇って倒れてしまう。そのときサスケが「お前は死ぬな…」と言い残して力尽きたので、ナルトは彼が死んでしまったと思い込む。それにより怒りの感情が一気に爆発し、封印されていた九尾の力が表に出てしまった。

 この時のナルトは暴走状態となり獣そのもの……。膨大なチャクラによって傷が超回復し、スピードもパワーも何倍にも跳ね上がっていた。そのため、目で追えないほどの高速移動をする白を捕まえて、顔面に拳を思い切り叩き込み全てを終わらせてしまう。忍術など関係なく、強引な力技でねじ伏せた形だ。

 あの「落ちこぼれ」のナルトにこんな潜在能力が隠れていたのかと驚かされ、圧倒的な実力差を覆す姿に震えたシーンだった。

■野性的な姿がカッコイイ!『BLEACH』黒崎一護の虚化

 次は久保帯人さんによる『BLEACH』の黒崎一護を見ていこう。一護は死神としての才能を生まれながらに持っているキャラだが、護廷十三隊の隊長たちと比べると実力不足。まだまだ経験や鍛錬が足りなかった……。

 しかしそんな中、一護は護廷十三隊でもトップクラスの実力を誇る朽木白哉と戦うことになる。それでも善戦する一護だったが、白哉の技の引き出しの多さからジリジリと押し負けていく。

 そのうち体を動かせなくなった一護は、ついにとどめをさされそうになる……が、次の瞬間、黒い衝動が走ったかと思うとまさかの虚(ホロウ)化。一護と悪霊である「虚」の関係は伏線としてあちこちに張られていたので、それが見事回収された瞬間でもある。

 虚化した一護は白哉の刀を素手で受け止めるなど戦い方が滅茶苦茶。それによって勝ちを確信していた白哉も追い詰められる結果となった。

 後にウルキオラとの戦いで一護は完全な虚化をしてしまうが、その時の彼は化け物そのもの……。まるで欲望のままに暴力を振るう鬼神のようだった。

 虚化は制御のできない暴走に近いので、仲間も巻き込んでしまいそうでハラハラする。しかし、普段見ることのできない一護の野生的な姿はカッコよく見えてしまう。いつも涼しい顔をして戦っている一護だからこそ、虚化はギャップがあって魅力的だ。

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