■最強ならぬ「最凶」なら断トツか? “ヤミヤミの実”

 “黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチが、仲間殺しをしてまで手に入れた“ヤミヤミの実”。その能力は作中で「悪魔の実の歴史上最も凶悪」と語られている。

 “ヤミヤミの実”がもたらす闇の力は、あらゆるものを捉えて離さない引力だ。無機物も人間も区別なく吸いこみ、闇に閉じこめてしまう様はブラックホールそのものである。

 なにより特徴的なのは、悪魔の実の能力を封印する力だろう。自らを火炎と化す“メラメラの実”の能力者、ポートガス・D・エースとの決闘では、彼の能力を封じこんで勝利している。

 実力者の大半が悪魔の実の能力者である以上、それを問答無用で制圧できる“ヤミヤミの実”の能力は厄介極まりない。

 あらゆるものを引き寄せる副作用で相手の攻撃を避けられないデメリットから、なんとなく使いづらいイメージもある“ヤミヤミの実”。だが、こうして整理すると「最凶」の名にふさわしい厭らしさではないだろうか。

 

 『ONE PIECE』作中で特別視されている悪魔の実は、実はほかにもある。たとえばトラファルガー・ローの“オペオペの実”は、永遠の命を授ける不老手術を可能とする奇跡の能力と語られた。

 ちなみに我らが主人公、ルフィの“ゴムゴムの実”こと“ヒトヒトの実幻想種モデルニカ”は「世界で最もふざけた能力」とのこと。主人公が最強ではなく“最ふざけ”の能力者なのも『ONE PIECE』らしいといえるかもしれない。

 このように、単純な戦闘だけで優劣を計れない能力の多彩さが、悪魔の実の最強を決めにくくしている要因といえるだろう。あなたが思う「最強」の能力はなんだろうか?

  1. 1
  2. 2
  3. 3