■最低最悪の独裁者…黒炭オロチ

 最後は、ワノ国編に登場した黒炭オロチだ。このキャラは個人的に最も外道なキャラだと思っている。その理由はワノ国の将軍という立場を使い、国民のことをまるで玩具のように扱っていたからだ。

 彼はカイドウを後ろ盾にやりたい放題して国内を滅茶苦茶にしていたが、光月おでんから襲撃を受けるとみっともなく命乞い……。その後何とか助かってからは、今度はおでんに対する嫌がらせを始める。

 なんと彼は国民を人質にし、“毎週都で裸踊りを続ければ、1回踊る毎に100人ずつ解放する”とおでんを脅迫したのだ。そして、5年もの間おでんは裸踊りをして耐え続けるもついに我慢の限界に。反旗を翻した末に捕らわれ、部下ともども処刑されることになった。

 この時カイドウは、釜茹での刑でおでんが一時間耐えられれば部下を解放することを承諾。しかしおでんが耐えきると、オロチは「“銃殺の刑”に変える事を…一分前に思いついた」とあっさりと約束を破ろうとした。

 他にも抗議する民衆に銃撃して余興感覚ではしゃいだり、失敗作である人造悪魔の実「SMILE」を食料として町の人間に食わせたりと、見ていて胸糞が悪くなることばかり……。

 悪事を上げればきりが無い最低最悪の独裁者なので、どんな最期を迎えるのか気になって仕方がなかったキャラでもある。

 

 胸糞キャラはひとつの悪行だけに留まらず、時間をかけていくつも積み重ねてくるから、読者も許せない気持ちになるのだろう。

 多くの人の夢や希望を平気で踏みにじる彼らの姿には、本気の怒りというものが湧き上がってくる。だからこそ、主人公たちがやっつけてくれたときの爽快感もひとしおだ。

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