■王道ストーリーが魅力!『カジカ』
最後に紹介するのは1998年に短期集中連載された『カジカ』だ。本作も全1巻で完結していて、非常に読みやすい作品となっている。本格的な冒険アクション漫画で、『ドラゴンボール』の雰囲気が好きな人におすすめしたい作品である。キツネの呪いでキツネ人間になってしまった少年・カジカが、泥棒の少女・ハヤに出会ったことで物語が大きく動いていくという王道ストーリーだ。
『カジカ』の魅力は、「鷲風(しゅうふう)」という術を駆使するカジカの戦闘シーンや、「竜のタマゴ」をめぐるファンタジー要素である。『ドラゴンボール』を彷彿とさせる岩山や荒野での戦いが描かれ、カジカは自身の前に立ちふさがる強大な敵と熾烈なバトルを繰り広げていく。
鳥山さん本人は「とっても地味な作品」と本作のイメージを明かしているが、それでも手に汗握るストーリーに仕上がっているところがさすがである。迫力たっぷりのシーンも多く、きっとアニメ映えすることだろう。何より雰囲気や世界観が『ドラゴンボール』に似ている部分も多いため、話題にもなるはずだ。
今回は日本が誇る天才漫画家・鳥山明さんのアニメ化されていない「神作」を紹介してきた。
『SAND LAND』も連載から20年以上の時を経てようやくアニメ化された。だからこそ、今回紹介した名作がこれからアニメ化される可能性もあるだろう。短編が多く分量的にも読みやすいため、ぜひ機会があればチェックしてみてほしい。