■門外不出の秘術を独学で習得…『NARUTO』日向ネジの「八卦掌回天」

 最後は岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』(集英社)に登場する日向ネジだ。ネジは名門である日向一族の中でも特に才能に恵まれており、分家の人間でありながら宗家を凌ぐ力を持っている。

 日向一族は柔拳と白眼を使用して戦う一族で、分家であるネジは全ての技を教わっているわけではない。本来であれば本家の跡目しか知らない秘術もあり、それが八卦掌回天である。

 この技は白眼で相手の攻撃を360度見切った上で、全身からチャクラを放出しながらコマのように円運動を行う。そうすることで、四方八方からのあらゆる攻撃に対応できるようになっているのだ。

 手裏剣やクナイといった飛び道具にも対抗できるので、遠距離や近距離問わずに相手の攻撃を無効化できる。そんな技をネジは独学で習得したというので、天才といわれているのにも納得だ。

 ナルトとの戦いでは影分身を使って襲いかかってくるナルトを蹴散らし、鬼童丸との戦いでは遠距離からの複数攻撃を弾き落としていた。戦いを通して見ても、多対一の状況に対応できるのは、白眼と八卦掌回天のふたつが揃っているからということが分かる。

 そこからも日向家の人間にしか使えないのが明らかなので、よく考えられた技だと感心してしまう。

 

 相手の力を打ち消す防御技は、かなり効果的で実用的だと思う。しかし、攻撃をいかにギリギリでかわすかを追求しすぎることでリスクも大きくなるだろう。ある意味、リスクを楽しんでいる面もあるのかもしれない。

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