『ガンダム』シリーズには、高度な技術によって生み出されたさまざまなメカが登場。時代が移り変わるとともに進化の過程も描かれ、そういった緻密な設定が作品にリアリティを与えてくれる。
しかし、長い『ガンダム』の歴史のなかには、視聴者が「性能が高すぎるのでは……!?」と感じてしまう機体があったのも事実。
そこで今回は、時代を超越しているように感じた、とくにハイスペックなメカについて振り返っていこう。
■グリプス戦役時にZZガンダムに匹敵する機体が登場?
まずは『機動戦士Zガンダム』や『機動戦士ガンダムZZ』に登場したモビルアーマー(MA)の「サイコガンダムMk-II」だ。
同機は、20門のメガ・ビーム砲を備え、頭部にも小型のメガ・ビーム砲が2門、腹部には3連装のメガ拡散ビーム砲を持つ。さらに腕部に有線式サイコミュがあり、そこからもビーム砲が撃てるという、すさまじい高火力を誇る機体だ。
しかも全高約40メートル、全備重量280トンという超大型機で、劇中で可変MAのバウンド・ドックと並んだシーンでは、比較的大きいバウンド・ドックが小さく見えるほどの迫力があった。
ただし、テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』では、同機のパイロット「ロザミア・バダム」の精神面が不安定だったこともあり、本来の性能を発揮できないままコクピットを狙い撃たれて沈黙している。
そして続編の『機動戦士ガンダムZZ』で、サイコガンダムMk-IIはネオ・ジオンに接収されていた。強化人間のプルツーがパイロットとなり、攻守に渡って「リフレクター・ビット」を使いこなすなど、ようやく本来の高性能を披露。
エルピー・プルのキュベレイMk-II、ジュドー・アーシタのZZガンダムなどと交戦しながら、互角以上のパフォーマンスをみせた。
グリプス戦役時に生まれた機体ながら、第一次ネオ・ジオン抗争時の最新鋭機にひけを取らなかったのは驚異的。これだけのモンスターマシンが『Zガンダム』時代に実用化されていたのは、オーバーテクノロジーと言えるかもしれない。
■どんな状況でも対応可! 何でもできる万能艦
初代『機動戦士ガンダム』に登場した「ホワイトベース」も、かなりオーバースペック気味の艦艇と言える。同艦は、一年戦争の初期に開発されながら、さまざまな機能が高水準で、オールマイティな運用が可能となっている。
まず特筆すべきは、優秀すぎる大気圏離脱能力だ。ジオンの「ザンジバル級機動巡洋艦」もホワイトベースと同様に宇宙空間と大気圏内を巡航できる能力を有するが、こちらは大気圏離脱時にはブースターを装備し、カタパルトなどを利用しなくてはならなかった。
しかし、ホワイトベースはオプション装備を一切つけることなく、単独で大気圏の突入と離脱が行える。ちなみに続編作品に登場する次世代のアーガマや、ネェル・アーガマといった艦艇でさえ、バリュートを用いていたので驚きだ。
それに当時の最新技術「ミノフスキー・クラフト」を採用したことによる恩恵も大きい。ジオン公国軍のアッザムやアプサラスにも同技術は採用されていたが、ホワイトベースほどの安定運用には至らなかった。
また、ホワイトベースに搭載できるMS数には諸説あるが、資料によっては15機積めるという話もあり、これが事実なら『機動戦士Zガンダム』のアーガマ(10機)をも上回ることになる。