■あの範馬勇次郎のおスミ付き!?『グラップラー刃牙』天内悠
最後は、板垣恵介氏による『グラップラー刃牙』(秋田書店)に登場した天内悠だ。本作では最強を決める戦いが描かれているので、キャラのほとんどが規格外の筋肉で覆われている。その中でも規格外なのが「地上最強の生物」こと範馬勇次郎だ。
勇次郎は発達した筋肉によって、あらゆる武術家や動物を力のみでねじ伏せる。力こそすべて……それを具現化したような存在というわけだ。
そんな勇次郎が、地下闘技場最大トーナメントで推したのが天内悠である。しかし勇次郎に「俺のおスミ付きだ………」とまで言われた天内の見た目は、まるでアイドルのようだ。経歴はアメリカ大統領のボディガードと、生粋の格闘家でもないため、筋肉とは無縁の存在にも思えた。
そんな天内は、下の道着だけ身につけ上半身裸のスタイルでトーナメントに出場。その時、筋肉がかなり盛り上がっていたから驚いた。手足が長くて細いせいで、華奢な肉体を想像してしまっていたからだ。
そして戦闘が始まると、空中に高く舞い上がり力強い足蹴りを相手に何度も食らわせて失神させてしまう。大人しそうな顔をして、力でねじ伏せるような攻撃をしていたのでまるで予想外。筋肉もそうだが、見た目に騙されるとはこのことだと思った。
バトル漫画に登場する童顔キャラには、意外とマッチョなキャラも多い。過酷な戦いを勝ち抜いてきたからこその仕上がりであり、人は見かけによらぬもの、ということわざがぴったりだ。その激しすぎるギャップには思わず惹きつけられてしまう。