■才能の塊? 初陣とは思えない活躍をみせた女の子
意外なところでは、映画『機動戦士ガンダムF91』に登場した「セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)」もパイロットとして非凡なところをみせた人物だ。
モビルスーツの操縦訓練を受け、間もなく初陣を迎えたセシリーは試作機「ビギナ・ギナ」で出撃する。高機動で操縦が難しいビギナ・ギナを、セシリーは「扱いやすい」と言ったことに、クロスボーン・バンガードの指揮官ザビーネは衝撃を受けていた。
その初陣で、難なく編隊を組んで飛行したセシリーを見て、サビーネは「すぐにも編隊が組めるとは……」「あるがままを見ただけで、そのものの本質を洞察できるのがニュータイプというもの。信じたくなった」と、彼女のセンスの良さに驚愕している。
その後、最新の高性能機「F91」と遭遇した際も、いきなりF91の高速機動に反応したり、正規軍人でも手を焼く機動兵器「バグ」をいなしたりと、すさまじい才能の片鱗をみせた。
セシリーの活躍はそれだけにとどまらず、大破した機体の核融合炉を狙撃し、誘爆によって戦艦を撃沈するクレバーさを披露。実戦経験はほとんどないはずの彼女の活躍ぶりに驚かされてばかりだ。
そして巨大モビルアーマー「ラフレシア」戦では、ビームの弾幕をかいくぐりながら高速で前進を続け、ビームランチャーで反撃。その攻撃も、きっちりラフレシアに命中させるという神業を披露した。
実戦経験の浅さや機体性能の差を考えると、セシリーはF91に乗るシーブックにすら匹敵するほどの可能性を秘めた逸材だったのかもしれない。
このように『ガンダム』シリーズでは、ニュータイプや強化人間を中心に女性パイロットの活躍が目立つ。最近ではテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でついに女性主人公が実現したが、これからも優秀な女性パイロットが輝く場面がたくさん描かれるはず。そのとき戦場を駆ける華たちが魅せる「神操縦」に酔いしれたいものだ。