■常に格上相手と戦う度胸
最後はクリリンの度胸の強さに注目したい。クリリンは常に絶望的な状況で格上と戦うケースがほとんどだ。次々と仲間が倒れる中、自分の番となってしまう恐怖心に耐えながら踏ん張っている。そうしたクリリンの姿には、並外れた度胸を感じずにはいられない。あのベジータですら、フリーザの最終形態を目の当たりにした時は戦意喪失していたというのに……。
クリリンはナッパ戦ではピッコロと協力して最後まで抵抗をしてみせ、ナメック星ではデンデを救うために危険を冒してドドリアに立ち向かっている。
リクームと戦うことになった際は、決して逃げずにベジータや悟飯を気遣いながら応戦。フリーザ戦では圧倒的な力を前にしても怯まず、悟空の到着まで必死に粘っていた。
クリリンの凄いところは、たとえ明らかに勝てないと分かっていても決して諦めないところだろう。ボロボロになりながらも、最後まであがいて希望を繋げているのだ。
泥臭くてもまっすぐなクリリンの姿には、読者の多くが何度も勇気を与えられたはずだ。そんな彼であれば、「地球人最強」の称号を与えられるのも納得である。
『ドラゴンボール』では、クリリンがいなかったらどうなっていたんだ?という状況も多い。そうした場面では、彼にしかできない戦い方があったからこそピンチを乗り越えられたともいえる。
強者が相手を圧倒する展開はもちろん爽快だが、クリリンのように今ある自分の力を活かす戦いも見どころ十分だ。