■美しいフォームから繰り出される3Pシュートで荒稼ぎ! 海南・神宗一郎
最後は、海南大附属高校2年、背番号6、神宗一郎を紹介したい。彼は189cmと身長は高いが線が細く物腰も柔らかい。牧や清田など自己主張の強い選手と比べると、若干影が薄い印象がある。
中学でのポジションはセンターだったが、海南バスケ部に入部すると高頭監督から「センターはとうていムリだ」と、痛烈な勧告を受けてしまう。監督が「悔しくないのか…?」と疑問を持つほどにその場では飄々とした態度を見せていたが、しかしその日から神は1日500本のシューティングを欠かさずおこなうようになる。表情には出さずとも、人一倍強い闘志を持っていたのだ。
コミックス14巻、インターハイ神奈川県予選での湘北戦。牧がペネトレイトで切り崩し、それを警戒されると外から神の3Pでトドメを刺すという作戦で点を荒稼ぎしていた海南。まさに、"中から牧、外から神”の最強コンビだ。
湘北は牧を4人で囲い、桜木を神にフェイスガードでつかせるという安西先生の奇策でなんとか対抗したが、それでも神はこの試合フル出場ではないのにもかかわらず22点を記録。さらに次の陵南戦では、NBAのステフィン・カリー選手を彷彿とさせるような超ロングレンジの3Pを決めているシーンもあった。
結果、神奈川県予選では流川を抑え一試合平均スコアはナンバーワンに。MVPの牧とともに神奈川ベスト5に選出されるなど、まさに努力によって最高のシューターとなった彼は非常にクールであった。
今回は『SLAM DUNK』に登場する努力家キャラの凄いプレイを紹介してきた。アクの強い選手が多い本作において彼らは少し地味な印象があるかもしれないが、人知れず努力を重ねた成果を試合でしっかりと発揮する姿には非常に心を打たれてしまう。
本作は7月28日から、過去に公開された劇場版『SLAM DUNK』4作品の一挙放送(BS12)が、さらに8月13日からは、劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』の復活上映が決定している。
時が経っても色褪せない名作を、この機会に見返してみてはいかがだろうか。