■主人公のまさかの死…『ＤＥＡＴＨ ＮＯＴＥ』夜神月

　最後は原作：大場つぐみ氏、作画：小畑健氏による『ＤＥＡＴＨ ＮＯＴＥ』（集英社）の夜神月だ。月は新世界の神になるため、「キラ」として犯罪者を次々とデスノートで裁いていく。しかしそのうち見境がなくなり、犯罪者だけではなく自身を捕まえようとする人間も殺していた。

　月のスゴいところは、常に相手の先を読んで先手を打っておくところだ。ＦＢＩ捜査官が日本に潜入捜査にやってきた際にも、対策を練って巧みな方法で殺していた。

　さらに月は高い知能を持つＬのあらゆる疑いを回避して、最終的には彼までもデスノートで殺してしまう。こうなると、どうやって月を捕まえればいいのか分からなくなってしまった。

　しかし、そんなやりたい放題だった彼も、最後は予想外の結末を迎えてしまうことになる。Ｌの後継者であるニアによって自身の正体がキラだと暴かれると、追い詰められた月は見苦しくもリュークの力に頼ろうとした。

　この行動にはリュークもがっかりして、デスノートに月の名前を書いてしまう。そして、月は「死にたくない!!」と無様にあがいた上で死ぬというあり得ない結末を迎えた……。

　月には悪のカリスマになる素質は十分あったが、惜しいところでなりきれなかったのが残念である。もしあのまま大人しく捕まっていたとしたら、キラ信者を使っての脱獄展開もあったのかもしれない？

　　

　メインキャラの死は、いろんなきっかけを与えてくれるのと同時に、そのシーン自体が強く印象に残るという効果もある。読者としては、キャラへの思い入れが強ければ強いほど、死んだ時の衝撃は大きいだろう……。

　ひょっとしたら、作者も悩みながらキャラを退場させているのかもしれない。

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