昨年、連載開始から４０年を迎えた『北斗の拳』（原作：武論尊氏、作画：原哲夫氏）。本作にはケンシロウやラオウといった魅力的なキャラクター以外にも「ザコ」と呼ばれる、いわゆる“やられキャラ”がいる。ザコの多くは善良な民をいじめ、ケンシロウの逆鱗に触れて殺されることが多い。もしくはおふざけが過ぎてラオウの逆鱗に触れ、ぶっ飛ばされることも多々あった。
しかしザコのなかには、かなり理不尽に殺されてしまう者もいた。機嫌の悪いラオウやケンシロウの目に止まっただけで、あっけなく死んでしまう可哀想なザコ……。そこで今回は『北斗の拳』に登場する“理不尽な死に方が不憫すぎたザコたち”のシーンを紹介したい。
■立っていただけなのに…いきなり黒王号に踏みつぶされるザコ
ただ立っていただけなのに、いきなりラオウの愛馬である黒王号に踏みつぶされ理不尽に死んだザコがいる。それが登場するのが「狂乱の南斗！ の巻」のオープニングシーンである。
サウザーが築いた聖帝十字陵を守るべく、旗の下で護衛をするザコ。そこに“ズシ…ズシ…ン”という音がし、ザコは「ん!?」と後ろを振り返る。そこでラオウの存在に気づくも、「あ…あなたは……」と呟いた直後、黒王号の蹄が頭上から落ち、無残に踏みつぶされてしまうのであった。
ザコを踏みつぶした黒王号に乗っているラオウは「ぬ～～!!」と叫び、かなりご機嫌斜めである。サウザーが聖帝十字陵を築き、その力を誇示するような姿勢に腹が立ったのだろう。
ラオウのイラついた気持ちを受け取った黒王号が、サウザーの家臣のザコをあっという間に踏みつけたといったところか。何にせよ、この時点では悪いことをしていないザコが少々気の毒である。
■音を確認しただけなのに…首を吹っ飛ばされるザコ
泰山天狼拳のリュウガと、ケンシロウとの熱い戦いが描かれた「天帝よりの使者！ の巻」でも、少々気の毒なザコが登場する。
ケンシロウの怒りを引き出すため、トキに手を掛けたリュウガ。その事態を聞いたケンシロウは急いでリュウガの城へ乗り込む。
シーンは変わり、城内にて。斧のような武器を担ぎ、１人歩くザコがいた。ザコは壁際に“コンコン”という音を聞き「なんだ～だれかいるのか～？」と、壁に耳を当てる。
シーンとした壁……そのまま聞き耳を立てていたザコであったが、次の瞬間“ボコオッ”の音とともに、ケンシロウの蹴りが壁を突き破り、壁ごと首を吹っ飛ばされるザコの姿が。
この時のケンシロウはトキをすぐに救出したいこともあり、だいぶイラ立っていたように見える。その後襲い掛かるザコたちをヌンチャクで一網打尽にしているため、首を吹っ飛ばされたザコはいずれにせよ死ぬ運命にあったと言えよう。
それにしても音を確認しただけで殺されてしまうなんて、あまりに不憫な死に方である。
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