■敵討ちとして単騎突撃した「ザクレロ」
続く第32話「強行突破作戦」で登場したジオン公国軍の宇宙戦用試作型MA、型式番号MAー04X「ザクレロ」。イエローカラーに大きな口を開けたピエロの顔のような外見をしており、非常にインパクトが大きい機体だ。
先の戦闘で撃墜されたトクワン大尉の敵討ちをとるべく、シャアの命令を無視したデミトリーが、ザクレロを使い単独でホワイトベースを強襲した。
このザクレロは開発が中止され廃棄予定だったとはいえ、拡散ビーム砲、4連装ミサイルランチャー、そしてヒート・ナタを装備しており、非常に強力な機体であった。さらに搭乗者のデミトリーは、ザクレロのテストパイロットであったこともあり、ハヤト・コバヤシの乗るガンタンクを終始圧倒していく。
しかしまもなくして、下半身をGメカに換装しMA形態となったガンダムが参戦。最終的には撃墜されてしまう。だが、その際にもガンダムに一太刀入れ、次の戦闘参加を遅らせていた。
一方、シャアはこのデミトリーの敵討ちを優先させた命令違反と、それを許したマリガン中尉に激怒、イラつく姿を見せる。それもそのはず、シャアのザンジバルは、直後ドレン隊とホワイトベースの挟撃が可能だったのだ。ザクレロは無謀な単騎突撃などせず、正式な作戦上で使われていれば、もっと大きな戦果を得られていたかもしれない。
今回は、初代『機動戦士ガンダム』において「こいつだけは地味に強かった」機体を紹介してきた。
いずれの機体も結果だけ見れば、アムロの乗るガンダムに敗れてしまったのだが、作戦やその場の状況次第ではガンダムを討ち取っていた可能性もあっただけに悔やまれる。また武器や装備、そしてデザインも特徴的なものが多く、ガンダムやザクにも見劣りしない魅力を持った機体でもあった。