『仮面ライダーカブト』料理対決に『仮面ライダー剣』のタイ焼き名人も…異色エピソードに驚いた『仮面ライダー』シリーズの“中盤あるある”「トンデモ謎回」の画像
『仮面ライダーカブト』 VOL.9 [DVD](東映)

 今日でも続く『仮面ライダー』シリーズは、原作・石ノ森章太郎さんのスピリッツを代々受け継ぎ、子どもにはちょっと恐ろしいキャラや設定、そして大人も引き込まれるようなシリアスな展開が魅力だ。しかしその一方、コミカルでシュールな演出にファンも思わず“ポカン”としてしまうようなエピソードも存在する。

 そこで今回は、そんな『仮面ライダー』の放送中盤にありがちな「謎回」について紹介したい。シリーズきっての異色エピソードを見ていこう。

■某番組のような料理対決『仮面ライダーカブト』

 まずは、平成仮面ライダーシリーズ第7作目『仮面ライダーカブト』から。本作は、仮面ライダー生誕35周年記念、“最強の仮面ライダー”をコンセプトに制作されており、一般的には硬派なイメージがあるライダーだ。その反面、コメディパートはかなりシュールでぶっ飛んでいる。

 そんな本作において一番の「謎回」と言われているのが、第29話「闇キッチン」と第30話「味噌汁昇天」だろう。この回は、なぜか“料理対決”がメインとなっており、その冒頭から、闇の料理人の頂点に立つ者に代々伝わってきた包丁「黒包丁」、そして光の料理人に代々伝わってきた包丁「白包丁」の説明がされるという、かなり異色のものとなっていた。

 そして現れたのは、有名料理人たちに次々と料理対決を挑む生簀一郎という謎の料理人。たしかな腕と豊富な知識、さらには人の感情を操る力を持つ生簀は圧倒的な実力の差を見せつけ、ほかの料理人たちのプライドをズタズタにしていく。それを許せない水嶋ヒロさん演じる天道総司は、生簀に料理対決を挑むこととなる。

 山奥にある料理の修行場に向かい、“雑巾料理”の課題を与えられた結果、料理の神髄に至る天道。そして、某料理対決番組のようなスタジアムでの料理対決がはじまり、某アニメさながらのオーバーリアクションなど、ファンもポカンとなるほどの展開が続いた……。とくに、ZECTのトップ・加賀美陸役の本田博太郎さんが一番ノリノリな演技をしていたのが衝撃的だった。

 最終的には、料理対決に敗れた生簀が怪人・キュレックスワームに変身し、天道が仮面ライダーカブトに変身しこれを倒すことになる。しかしこのとき、ワームに変身する生簀を見た天道が「なるほど そういうことか」と言っているところを見ると、本気で料理対決をしたその相手が“たまたまワームだった”ようなのだ。それが一番の驚きだった。

■カリス・相川始がタコ焼き屋?!『仮面ライダー剣』

 平成仮面ライダーシリーズの第5作目『仮面ライダー剣』にも「謎回」があった。それは、第29話「2人のカリス」と第30話「失われた記憶」だ。

 敵の激しい攻撃で、記憶喪失になってしまった仮面ライダーカリス・相川始。記憶をなくし、さまよっているなか、容姿がうり二つであるタコ焼き店「いろは組」の息子・三上了と偶然出会う。

 了は見た目こそ始と同じだが、中身はまったく正反対。軟弱で女に目がなく、自身が営むタコ焼き店「いろは組」と敵対する「ほへと組」の娘・未知とも同棲していたが、それにも嫌気がさし、始に自身との入れ替りを提案する。

 本作を見たことある人ならご存じだろうが、森本亮治さん演じる始は、口数が少ないシリアスキャラだ。別キャラとは言え、明るく調子のいい演技をする森本さんに当時はビックリした視聴者も多かったことだろう。

 さらに、クライマックスで了は“タイ焼き名人、アルティメット・フォーム”というコスプレ姿で登場。タイ焼きを驚くべき早さで作り、現れた怪人・サーペントアンデッドをアツアツの鉄板で殴りつけるなど、ファンもあぜんとしてしまうような驚くべき展開が最後まで続くのだった……。

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