■実はすべてを悟っている主役・剣桃太郎
『魁!!男塾』には大人っぽいキャラが次々に登場するが、実は主人公である剣桃太郎こそすべてを悟っている大人キャラといえるだろう。
そもそも『魁!!男塾』は連載開始当初、かなりのギャグ漫画であった。校庭に集まった塾生を前にウサギちゃん柄のブリーフを掲げる教官。男塾ではフンドシ以外の下着が禁止されているため、誰のものかバレたら大変なことになるのである。これを履いている生徒は誰だとサーベルを手に問い詰めると、桃太郎は仲間をかばい「おれだよ」と言って前に出た。その後頭にケガをさせられた桃太郎だが、笑みを浮かべ動じることはない。
その後おこなわれた男塾名物“直進行軍”も、やっていることはめちゃくちゃだが桃太郎は単身ヤクザの事務所に乗り込み最後まで行進を続ける。周りはお笑い系のキャラが多い中で、桃太郎はギャグ漫画の世界でも冷静沈着かつ稀少な大人キャラなのである。
そんなクールな桃太郎は、バトル漫画に展開してもリーダーとしての責務を果たす。各トーナメントでは最終決戦のリーダーとして立派な戦いをし、死んでは生き返るメンバーの中で一度も死んでいない。一号生ながら先輩たちの上に立ってしまう桃太郎は、なんとも貫禄のあるキャラである。
ちなみに男塾メンバーの中でも特に大人っぽいキャラクターといえば、登場当初巨人のような姿で登場した大豪院邪鬼だろう。三号生筆頭で男塾の帝王と呼ばれる邪鬼は確かに貫禄があるが、彼は十余年にわたって男塾に在籍しているため、かなりの年齢を重ねているのだ。
激しいバトルに迫力のあるセリフが多く登場する『魁!!男塾』。一体彼らは何歳なのか謎ではあるが、あまり詮索せずに物語を楽しむのが良いだろう。