■天ノ川学園高校の全員と友達になる男『仮面ライダーフォーゼ』福士蒼汰

 天ノ川学園高等学校を舞台に“仮面ライダー部”の活躍を描いた『仮面ライダーフォーゼ』。シリーズ初の学園青春ドラマとなった本作で主人公・如月弦太朗を演じたのが、福士蒼汰さんだ。

 その第1話『青・春・変・身』(2011年9月4日放送)では、短ランにボンタンを身にまとい、リーゼントという昭和時代の不良のような格好で登場。「時間の無駄だ」と言って渡されたラブレターを川へ捨てる歌星賢吾に対して「人からもらった手紙はちゃんと読め!」と迫り、ラブレターを拾うため川へダイブするなど熱い男だ。

 その後、幼馴染の城島ユウキとの再会があり、いよいよ本作の怪人第一号・オリオン・ゾディアーツが現れる。生身で戦おうとする弦太朗だったがまったく歯が立たず賢吾に救われる。

 再びオリオン・ゾディアーツが姿を現すと、今度はユウキに言われるがままベルトを巻き付け、仮面ライダーフォーゼに変身。「(なんだかわ分かんねぇないけど、)宇宙キターっ!」という本作の決め台詞もこのとき飛び出していた。

 本作は企画準備を進めていたところで東日本大震災が発生。「子どもたちをとにかく明るく元気にしたい!」という思いが込められ、作られた作品でもある。それを象徴するかのような非常に明るくテンポの良い、ワクワクするような第1話だった。

■さぁ実験を始めようか!『仮面ライダービルド』犬飼貴丈

 最後は、犬飼貴丈さんが仮面ライダービルド・桐生戦兎を演じた『仮面ライダービルド』。その第1話を見ていこう。

 第1話「ベストマッチな奴ら」(2017年9月3日放送)に、難問とされる東都先端物質学研究所の採用試験で満点を取ったとして中途採用された自称・天才物理学者として登場した戦兎。

 “自称”とするのは彼が記憶を失っていたためだ。僅かに残る記憶のなかにいる“コウモリ男”……その手がかりを探し出すため、戦兎は物理学者として研究する一方で、仮面ライダービルドとして謎の怪人未確認生命体スマッシュと戦っている。

 またこの1話には、本作のもう一人の重要人物・赤楚衛二さん演じる万丈龍我も登場していた。格闘家であった龍我は、無実の罪を着せられ投獄。その入れられた刑務所では密かに受刑者を使った人体実験がおこなわれており、龍我はそこから逃走し、戦兎と遭遇することとなる。

 そして、二人を阻むかのようにストロングスマッシュが現れ、戦兔は「さぁ、実験を始めようか」と仮面ライダービルド ・ラビットタンクフォームに変身。ストロングスマッシュを倒したが、氷室幻徳が率いる特殊部隊も現れ、戦兔は龍我をバイクに乗せ逃走する。

 2つの異なるものの組み合わせ“ベストマッチ”がテーマの本作、その第1話はまさに天才物理学者と脱獄犯というまさに異なるもの同士の出会いから始まっていた。

 

 今回は、人気俳優主演の『仮面ライダー』シリーズ第1話を振り返ってみた。いずれもワクワクするような主人公の登場に、今後が気になるような怒涛の幕開けとなっていた。

 そしてそのわずか1話からだけでも、のちにスターとなる俳優たちの才能や魅力を感じることができた。今回紹介した作品は現在、Amazon プライムビデオでも視聴可能だ。この機会にぜひチェックしてみてほしい。

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