「国宝級イケメン」と名高い俳優・吉沢亮さんは、漫画実写化の作品に数多く出演していることでも知られる。その端正な顔立ちはもちろん、二枚目から三枚目まで演じられる高い演技力を活かし、幅広いタイプのキャラを見事に再現してきているのだ。
今回はそんな数々の実写化作品の中から、吉沢亮さんといえばこれ!と言えるようなものをいくつか取り上げて紹介していきたい。
■大衆の心を鷲掴みにする国王『キングダム』嬴政
まずは、原泰久さんによる『キングダム』(集英社)を原作とした映画『キングダム』シリーズから。
本シリーズは、2019年の第1作『キングダム』、2022年の第2作『キングダム2 遥かなる大地へ』、最新作である第3作『キングダム 運命の炎』の興行収入がすべて50億円を超えている超人気作だ。さらに2024年7月には第4作となる『キングダム 大将軍の帰還』の公開が控えている。
吉沢さんは作中で、秦の国王である嬴政として多くの民を従える難しい役を演じた。嬴政はカリスマ性のある人物なので、周りの者の心を掴む振る舞いや言動が見せどころでもある。吉沢さんはそんなキャラを美しく気高く演じ切り、視聴者からは「神々しい」「拝みたくなる」といった声が寄せられた。
また、『キングダム 運命の炎』で特に評価されたのが、9歳の嬴政を吉沢さんが演じていたことだ。本作では、幼き日の嬴政と彼にとっての恩人・紫夏との過去が描かれており、こちらは原作でも人気が高いエピソードである。吉沢さんにとっても思い入れのあるエピソードだそうで、彼が「僕にやらせてください」と熱望したためにこの配役が実現したという。
当時29歳の吉沢さんが9歳の嬴政を演じるのは無理があるのでは?とつい思ってしまうが、彼の演技はそんな評価をくつがえすほど素晴らしかった。特に、嬴政の複雑な内面を「目の演技」で見事に表現していることや、彼が王へと覚醒する瞬間の演技などが高く評価されている。
ここからも吉沢さんは嬴政というキャラが定着したのは明らかで、次回作以降も期待が寄せられ続けるだろう。
■心に闇を抱えるカリスマ高校生『東京リベンジャーズ』マイキー
次は和久井健さんによる『東京卍リベンジャーズ』(講談社)のマイキーだ。本作を原作とする実写映画『東京リベンジャーズ』のキャスト陣には、主演の北村匠海さんをはじめ豪華な顔ぶれが揃っている。そんな中でも一際光って見えたのが吉沢さんが演じるマイキーだろう。
マイキーは一見したところ優しそうな雰囲気があるが、心の中は闇に覆われている……。そんな二面性があるキャラなので、光と影の演じ分けが難しいと思われる。しかし、吉沢さんはそんなマイキーの無邪気な子どものような部分と、狂気的な恐ろしい部分をどちらも鮮やかに演じている。
さらに、仲間をまとめて引っ張っていくカリスマ性も見ているだけでひしひしと伝わってくる……。先ほど紹介した嬴政と同じように、演じることでいろんな人の心を惹きつける不思議な魅力があるのかもしれない。
岡田翔太プロデューサーが21年4月に『映画.com』に掲載のインタビューで語った「『マイキーは吉沢くんしかいない、断られたらこの企画自体を止めよう』と思っていました」という言葉からも、マイキーがそれほど吉沢さんにぴったりな役だということがよくあらわれている。