人気ヤンキー漫画『伝説の頭 翔』の実写ドラマ化が決定し、主演の高橋文哉さんが一人二役を演じることも大きな話題になっている。高橋さんは伝説的なヤンキー・伊集院翔役と臆病ないじめられっ子・山田達人役という、外見がそっくりな彼らを一人で演じるのだ。
一人二役は演技力が必要となるために、本作は高橋さんの演技が大きな見どころとなるのは間違いない。過去を振り返れば、同じように実写化作品で一人二役を演じ、好評を博したイケメン俳優たちがいる。今回はそんな3人の俳優を紹介していこう。
■ゴールデンカムイ 柳俊太郎(二階堂兄弟)
野田サトルさんの『ゴールデンカムイ』は明治末期の北海道を舞台にした人気漫画で、山﨑賢人さん主演で実写映画も制作されて大ヒットを記録した。圧巻のバトルシーンも話題になったが、柳俊太郎(※「柳」は木へんに夘)さんが演じた二階堂兄弟の再現度の高さはファンから称賛された。
二階堂兄弟は浩平・洋平という双子の兄弟で、ともに大日本帝国陸軍第七師団に所属している。ふたりとも暴力的な性格の持ち主であり、杉元を容赦なく追い詰めた。
原作でも不気味な存在感を放っている彼らだが、実写化の際にはなんと柳さんが一人二役で完全再現に挑んでいる。動きを再現するスタッフとともに撮影に挑んだため、お互い「次は(浩平と洋平)どっちだっけ?」と混乱してしまう場面もあったようだ。
柳さんはもともと原作のファンであり、二階堂兄弟が好きなキャラだったとインタビューで明かしていることから、そのキャスティングはまさにぴったり。異様な雰囲気がある二階堂兄弟を時にはコミカルに、時には不気味に演じ切って、本作の見どころの一つとなった。
柳さんと主演の山﨑さんは『今際の国のアリス』でも共演経験があり、イケメンキャストの共演も見逃せないポイントとなっている。
■鋼の錬金術師 山田涼介(エドと若かりし頃のホーエンハイム)
荒川弘さんによる『鋼の錬金術師』は、全世界シリーズ累計発行部数8000万部を超える名作漫画で、実写化作品も3作品制作されている。主演は人気アイドルの山田涼介さんで、主人公のエドワード・エルリックとその父ホーエンハイムの若かりし頃を一人二役で演じていた。ホーエンハイムは数百年以上生きており、物語のキーマンとなる存在だ。
山田さんは第1作でエドを演じ、続編である『鋼の錬金術師 完結編』二部作である『復讐者スカー』と『最後の錬成』でも同様に主演を務めている。しかし、『復讐のスカー』ではホーエンハイムの若い頃は描かれていないため、山田さんの一人二役の演技を見ることができるのは『最後の錬成』ということになる。
『最後の錬成』ではホーエンハイムの若い頃が描かれ、その姿がエドそっくりということも見どころになっている。このシーンでは山田さんが演じるホーエンハイムの若い頃は短時間で、すぐに内野聖陽さんが演じる老年期の姿に場面は移ってしまう。しかし、終盤にはホーエンハイムに瓜二つのラスボス・お父様が青年の姿で登場し、それを山田さんが演じるという嬉しい展開が待っているのだ。
彼は一人二役どころかラスボスとなるお父様の青年期も演じて、それぞれの個性を高い演技力で演じ分けていた。このキャラはホーエンハイムの血をもとに体を作った「ホムンクルス」で、お父様とホーエンハイムがそっくりということはストーリー上でも重要な意味を持っている。
小柄なことがコンプレックスなエドにぴったりのキャスティングで、圧巻のCGとともに一人で何人もの役を演じた山田さんの演技は、本作最大の売りとも言えるだろう。