最近出ない?『クレヨンしんちゃん』の「レアキャラ」を辿る! “売間久里代”に“行田徳郎”…アニメ30周年を経てようやく登場した人物も!? の画像
アニメ『クレヨンしんちゃん』(c)臼井儀人/双葉社 (c)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

 臼井儀人さんの代表作である漫画『クレヨンしんちゃん』は、今もなおアニメや新たな映画が公開され続けている国民的人気作品だ。破天荒な幼稚園児・野原しんのすけの活躍が人気の本作だが、実は作中に数回しか登場しない“レアキャラ”も多い。

 今回は、思わず見落としてしまいがちな意外なレアキャラたちについて見ていこう。

■長き時を経て舞い戻った“地獄のセールスレディ”! 売間久里代

『クレヨンしんちゃん』といえば、しんのすけら“野原一家”はもちろん、一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが特徴的だ。なかでも、とある目的から野原一家に長らく付きまとっていたのが、通称・“地獄のセールスレディ”と呼ばれる売間久里代(うりまくりよ)だ。

 売間久里代は「まゆつば社」に勤める訪問販売員で、長い黒髪に濃い化粧、派手な色のレディーススーツが特徴的な女性だ。社内業績はトップと優秀な人材なのだが、一方で狙いを定めた相手には商品を購入するまで話し込むという、凄まじい“執念”を秘めた人物でもある。

 そんな彼女がアニメ版で初登場したのは、1993年に放送された「地獄のセールスレディだゾ」のエピソードである。

 野原一家になんとか教材を売りつけようと、しんのすけとコミュニケーションをとる売間。しかししんのすけに振り回されただけでなく、挙句は不審者と間違われパトカーまで呼ばれてしまう事態に。

 この出来事がきっかけで野原家と奇妙な因縁が生まれた売間は、その後も幾度となく復活し、リベンジを果たそうと野原家……もとい、しんのすけにセールスを仕掛けていく。

 しんのすけとのずれたやり取りや、空回りによって盛大に自滅する姿がなんとも面白いキャラクターだが、1997年から登場が途絶えてしまい、以降はモブキャラとして背景などにちらりと映る程度の出演となっていた。

 このままフェードアウトしてしまうかに見えた売間だが、なんと2014年放送の「地獄のセールスレディ・リターンズだゾ」で、17年の時を経て復活。担当声優もそのままに、再びしんのすけと“おバカ”なセールスバトルを繰り広げる結果となった。

 セールスに対する並々ならぬ執念から再び舞い戻ってきた、しんのすけをも恐れさせたレアキャラクターである。

■出番は少ないが…行田徳郎

『クレヨンしんちゃん』には、しんのすけが通う幼稚園にかかわるキャラクターも多数登場している。なかでも、ばら組の担任を務めている“まつざか先生”ことまつざか梅は、美人でありながらもしんのすけたちにあの手この手でちょっかいをかけられる“いじられ愛されキャラ”として有名だ。

 そんなまつざか先生だが、“恋人”がいたことをご存じだろうか。実は彼女、骨折で入院した際に接骨院の先生である行田徳郎と恋に落ちていたのである。

 行田は誠実な性格で人当たりも良く、周囲の人々からも信頼されている好青年。顔立ちも非常に整っており、面食いのまつざか先生も一目惚れしてしまったほどである。

 文句なしのイケメンキャラクター……に思えるのだが、そこはやはり『クレヨンしんちゃん』の登場人物。実は彼、極度の“骨マニア”というなんとも癖の強い個性を持っているのである。

 骨格標本を集めるだけならまだしも、骨格のよさそうな人間を追いかけたり、焼き魚やフライドチキンの骨まで持って帰ろうとするなど、とにかく“骨”に異常な執着を見せるのだ。

 そんな彼だが、原作とアニメ版ではその扱いがかなり異なっている。原作版ではまつざか先生と“婚約”までこぎつける行田だが、不慮の事故で他界してしまうのだ。

 ただしアニメ版では登場後、チリに赴任してからは登場しておらず、まつざか先生との恋も実らなかった形に改変されていた。ほんのわずかな登場ではあったものの、原作版ではその切なすぎるエピソードでファンを驚愕させたレアキャラクターである。

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