■「立志編」でも衝撃的シーンが

 続いては、2019年4月から9月まで放送されていた「竈門炭治郎 立志編」から。浅草を訪れた炭治郎は、マリを使う鬼・朱紗丸と矢印を操る鬼・矢琶羽と対峙する。そこには炭治郎と出会ったばかりの珠世と愈史郎の姿もあった。急襲されたのち、愈史郎の頭がマリによって吹き飛ばされてしまう。

 愈史郎は鬼なので死んでおらず、その断面から徐々に頭がニョキニョキと生えてくる。蠢く血管に、顎から少しずつ歯が生え、筋繊維、皮膚ができていく。頭部の断面はあまりにリアルで、これには炭治郎もギョッと驚いていた。

 死人が出たわけではないが、このシーンをここまで細かく描くとは、ファンも想像していなかったのではないだろうか。その後もマリによって珠世と愈史郎の頭はえぐれてしまう。ある意味で『鬼滅の刃』の凄惨描写の洗礼を浴びたシーンとなった。

 最後は同じく「竈門炭治郎 立志編」での、那田蜘蛛山でのシーンから。

 下弦の鬼を倒すため那田蜘蛛山に入った炭治郎たち。そこには蜘蛛の家族の鬼がいた。家族の鬼はそれぞれ戦い方もさまざまだが、ここで炭治郎らは数多くの凄惨な死に方をした隊士たちを目の当たりにすることとなる。

 たとえば操り人形のように糸をつけられ操られて殺されたり、糸の繭の中に入れられそのまま体を溶かされたり……。善逸も体を蜘蛛にされかけてしまった。

 若い鬼殺隊士たちがさまざまな死に方をしてたくさんの犠牲が出た那田蜘蛛山。ネットでは有名な、通称「サイコロステーキ先輩」もここで累の糸によって細かく切り刻まれ死亡している。

 味方陣営が一度にこんなに亡くなっているシーンを描いたのは、この那田蜘蛛山でのシーンが初めて。改めて鬼の強さを感じさせられることになった。

「柱稽古編」では体育会系のような展開だが、『鬼滅の刃』がこんな凄惨なシーンを描いていたことも忘れてはいけない。『鬼滅の刃』はこれらのシーンあってこそ、大事なものを我々に伝えてくれているともいえるだろう。

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