『フォロワーさんの本当にあった怖い話』に『閲覧注異』、『東京伝説』思わずゾワッ…実話をもとにしたホラー漫画」の画像
Webアクション『フォロワーさんの本当にあった怖い話』第1巻(双葉社)

 漫画には多くのジャンルがあるが、怖くてもつい手に取ってしまうのがホラー漫画だ。読んだら後悔することが分かっているのに、結末まで目が離せない。そんな恐怖を知りたい欲求は人間のサガなのであろう。

 なかでも、とくに怖いと感じるホラー漫画は“実話をもとにした話”が多い。本当に起きた出来事をリアリティ溢れるタッチで描いたホラー漫画は、恐ろしいながらもちょっとした非日常が楽しめるとあって人気だ。今回は、そんな実話をもとにしたホラー漫画をいくつか紹介したい。

■サラリと読めるけど恐ろしい…『フォロワーさんの本当にあった怖い話』

『フォロワーさんの本当にあった怖い話』(双葉社)は、しろやぎ秋吾氏によって描かれた作品だ。しろやぎ氏のSNSやブログをフォローしている読者から寄せられた実体験をもとにした話で、可愛らしいイラストと思いきやゾッとしてしまうような話が多い。

 本作は1話完結型のストーリーだ。たとえば、第3話「ベッドの下の女」。彼氏の家に泊まりに行く主人公の女性が彼の寝室で寝るたび、ベッドの下に横たわる女がいるという恐ろしい夢を見てしまう。最後にその恐ろしい女の正体が明かされ、ゾッとする……という話だ。

 しろやぎ氏の画風は一見するととてもコミカルで可愛らしい。「この画ならホラーでも読める!」と思いページを開くと、実は肝心な場面ではリアリティのある画風になっているため、恐ろしさが倍増するのだ。しかも日常生活のなかでの恐怖が描かれているため、同じようなシーンに遭遇すると、つい周りを見てしまうだろう。

 ただし本作はゾッとする恐怖だけでなく、少し切ない終わりを迎える話もある。もう会えない人と再会できたようなストーリーもあるので、ホラー初心者の人にもぜひ手に取ってほしい作品だ。

■本物の写真が恐怖を倍増させる『閲覧注異』

 漫画:DAY WALKER氏、原作と構成:阿鬼乱太氏による『閲覧注異』は、リアル実話ホラー漫画である。いわゆる“都市伝説”や“心霊現象”を編集部が徹底調査し、その恐ろしい結末を紹介している作品だ。

 本作の特徴は、実際に作品にかかわっている“秋田書店ヤングチャンピオン編集部”がストーリーを紹介していることだろう。編集部までに届いた手紙や、いわくつきの物を調査しつつ物語は進む。

 第一話にあたる「調査報告1 ヒーロー現象とは何だったのか?」では、正義の味方を名乗る人物から児童養護施設に送られた“ランドセル”が登場する。そのランドセルをもらった女児はその後、常に知らない女の子に付きまとわれてしまう。

 実は、このランドセルには前の持ち主らしき名前が記されていた。大人たちはこの持ち主が亡くなって、今ランドセルを背負う女児に霊となって付きまとっているのではないかと推測するのだが……。

 本作では毎回編集部で徹底したリサーチをおこない、不可解な現象を調べていく。その結果驚くべきことが判明し、上記のランドセルに関しても、実は女児の霊ではなかったことが判明する。

 本作はいわゆる2段オチになっている話が多く、予想を裏切る結末になっているのも面白い。またいわくつきの物は“実際の写真”が掲載されているため、さらに恐怖心があおられるのにも注目だ。

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