■弱点は慢心だった? シロッコの最期
自らを天才だと信じ、宇宙でも撃墜されない前提で、パイロットスーツを着ないという自信家のシロッコ。しかし、最後はその自信が命取りとなってしまう。
『Zガンダム』の最終局面では、シャアとハマーンという2大ビッグネームに肩を並べられたことに興奮したのか、本来の目的である、コロニーレーザー発射の阻止よりも、二人と語ることを優先。結果、コロニーレーザーは発射され、ティターンズ艦隊は壊滅することになる。
さらに、自分に知識のない、バイオセンサーの特殊な反応には理解が追い付かず、ジ・Oが操縦不能に。ウェイブライダーの突撃が直撃することとなる。
超常的なことが起きたとはいえ、自らの知識と、自分が設計したモビルスーツの性能を信じたが故の敗北となってしまった。
周りの人物を足手まといだとまで思う、シロッコの傲慢さが仇となってしまった最期であるが、逆に、それがなければほぼ完璧な人間だったとも言える。総合的な能力は宇宙世紀最強、つまり自負するだけでなく、本物の天才であったのかもしれない。