■別物だけどやはりジャッキーは魅力的…『シティーハンター』

 最後は、北条司さんによる『シティーハンター』(集英社)の実写化である。こちらは1993年に初の実写化をしていて、ジャッキー・チェンさんが冴羽獠を演じたことでも話題になった。ちなみにキャストのほとんどが外国人だが、ヒロイン役には後藤久美子さんが起用されている。

 原作を忠実に再現しているかというと、こちらも残念ながら『ドラゴンボール』と同じように別物に近い形だ。しかし、当時からジャッキーさんはアジアを代表するビッグスター。そのため、「ジャッキーの映画」ということで満足している人も多かった。

 ジャッキーさんといえばコメディー要素の強い作品も多いので、冴羽獠というキャラを考えると、ミスマッチとも言い切れない。また、アクションシーンでの立ち回りはさすがの一言である。

『シティーハンター』は2019年にはフランスで実写映画化され、2024年4月にはついにNetflixで日本国内初の実写化がされた。それぞれを比べて観てみるのも面白いかもしれない。

 

 何かと賛否両論を巻き起こす漫画やアニメの海外での実写化。しかし、冷静に振り返れば、必ずしも失敗とは言い切れない部分もある。別物として割り切れば十分に楽しめる作品もあり、機会があれば一度はチェックしてみるのも一興だ。

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