『キン肉マン』や『鬼滅の刃』にも! 最強の技が最高のドラマを生む…胸を熱くした「ジャンプ漫画の必殺技」感動の名エピソードの画像
『鬼滅の刃』DVD第5巻 (アニプレックス)

「必殺技」は少年漫画を面白くさせる大きな要素の一つ。技自体がかっこいいのはもちろん、生まれた過程が多くの読者を熱くさせることも多くある。ときには命を賭けて習得する場合もあり、その過程が厳しければ厳しいほどに技のかっこよさは跳ね上がっていく。今回はジャンプ漫画に登場する必殺技にまつわる名エピソードを紹介していこう。

■ 『キン肉マン』キン肉バスター誕生秘話 

 1980年代のジャンプ作品の代表格である『キン肉マン』は、いまだに多くのファンを獲得している超人気漫画である。7月7日からは、新作アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』もスタートし、大きな話題を集めている。

 本作の主人公・キン肉マンの必殺技として特に有名なのが「キン肉バスター」だ。この技は、キン肉マンが師匠であるプリンス・カメハメから授かった技としても知られている。

 キン肉マンは超人オリンピックで優勝した後にハワイを訪れ、そこでプリンス・カメハメという全盛期を過ぎたであろう男に敗れてしまった。その後、彼が編み出した「48の殺人技」を教えてもらうことになる。

 一つ一つの技が芸術と言われるほどに洗練された技だったが、その中でも「五所蹂躙絡み」はキン肉マンにピッタリの技だった。プリンス・カメハメは強靭な肉体とボディバランスを持つキン肉マンがこの技の使い手となり、名前を付けるべきだと提案している。

 しかし、キン肉マンはこの技があまりにも最高すぎると感じ、実力を過大評価されている自分には使う資格がないと考えていた。そのため、前大会のチャンピオンとして臨んだ超人オリンピックでも、48の殺人技を使おうとしなかったのだ。いよいよ決勝戦が始まろうとしたとき、プリンス・カメハメがキン肉マンの控室を訪れ、キン肉マンに「五所蹂躙絡み」を使用するように提案。キン肉マンは自分は芸術ともいえる完璧な技である「五所蹂躙絡み」を使う資格はないと話すが、プリンス・カメハメは自分の評価を自分で決める事こそ傲慢だとキン肉マンを殴りつけた。

 キン肉マンはその言葉を胸に刻み、ウォーズマンとの戦いに臨む。ウォーズマンは最強のサイボーグで、キン肉マンを追いつめていく。そこでキン肉マンはついに「五所蹂躙絡み」を使う覚悟を決めた。その技は強靭な体を持つウォーズマンの体を完全に破壊し、キン肉マンの超人オリンピック2連覇を確かなものにしたのだった。キン肉マンはこの技に「キン肉バスター」という名前を付け、彼のフィニッシュホールドとして愛用していくことになる。

■ 『鬼滅の刃』ヘタレキャラ・善逸の雷の呼吸

 空前の社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』には、さまざまな必殺技が登場する。主要人物はそれぞれ「呼吸」の使い手であり、多種多様な「型」を使いこなして戦うのだ。その中でも異彩を放っているのが、竈門炭治郎の仲間である我妻善逸である。

 善逸が使用する「雷の呼吸」には全部で6つの型があるが、彼が習得しているのはそのうち壱ノ型「霹靂一閃」だけ。「霹靂一閃」は超高速の居合斬りの型であり、善逸はひとつの技を連発する戦闘スタイルをとっている。雷の呼吸の使い手としては「劣等生」だったようだ。しかし、善逸が壱ノ型「霹靂一閃」とその応用技のみで数々の戦いを乗り越えてきたのを考えると、相当な習練を積んだのであろうことがうかがえる。

 そんな彼の特殊な戦闘スタイルは身体にかかる負担も多く、特に「遊郭編」で初披露した「霹靂一閃・神速」は2回以上使用すると足が駄目になってしまうほどの技だ。しかしそれだけに威力も半端なものではなく、「所詮同じ技」と見くびるととんでもない目に遭うことになる。

 ひとつの型を極限まで鍛え、上弦の鬼とも戦えるほどの強さを持つ善逸の必殺技。普段は臆病で泣き言も多い彼だが、だからこそかっこいい戦闘シーンとのギャップが際立っている。作中でも屈指の人気を獲得しているのも納得だ。

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