■熱いセリフ、結ばれない恋愛、父の死の真相…ドロドロがてんこ盛り

『プロゴルファー祈子』は大映ドラマの醍醐味である“ドロドロ展開”がてんこ盛りのドラマだった。

 まずは謎めいた父の失踪、そして遺体発見。父の死は自殺に見せかけた殺人であり、その犯人と格闘する祈子の姿も見逃せない。

 また祈子の兄である徹は、後日祈子とは血縁関係がないことが判明する。もともと祈子に対し妹以上の感情を持っていたこともあり、徹は祈子の幼馴染である信也と恋敵になっていく。こうした“実は赤の他人だった兄妹の恋愛”も、大映ドラマお約束の展開だろう。

 そして本作品には、大映ドラマならではのびっくりするような展開や、熱いセリフが次々に登場する。

 たとえば、第2話「ああ 私の敵は兄?!」では、祈子と信也が埠頭で話していると不良グループがバイクでやってくる。すると危険を感じた祈子は信也とともに海にダイブするのだ。

 洋服のまま海にダイブするなど通常では考えられないが、そんなときに信也は「僕はもう二度とキミを離さないよ!」と熱いセリフを口にしている。その後、不良たちに茶化され、クロール泳ぎで不良のもとへ戻る祈子……。今、見返してみるとツッコミどころ満載のシーンが多いのも本作の魅力なのだ。

 

『プロゴルファー祈子』はこれぞ大映ドラマの代表格!という作品であり、非行少女がプロゴルファーとして成長するという、ちょっとユニークなストーリーが魅力だった。

 当時視聴していた人に、懐かしさを感じてもらえただろうか。ゴルフクラブで戦うような行為は絶対にマネをしてはいけないが、昔はこうした波乱万丈なドラマが人気だったのも覚えておきたい。

 ちなみに『プロゴルファー祈子』は現在のところ再放送される様子はなく、動画サイトでも配信されていない。“THE 昭和”といった作品が見られなくなるのは残念だが、当時見た人々の記憶には深く刻まれていることだろう。

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