■煉獄さんにナナミンも…社会現象クラスの死が続く令和

 時代は令和へ。爆発的な人気を博した『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴さん氏)では煉獄杏寿郎がこの世を去り、世界中が涙を枯らした。

 もともと人気のあったキャラクターだが、快活な人柄と高潔な生きざまが見る者の胸に響き、死後その人気はさらに高まりを見せている。「心を燃やせ」などのフレーズは今なおさまざまな場面で引用されているし、彼が遺した「胸を張って生きろ」という言葉を支えにしている人も多いだろう。

 また、葛藤の末に「後は頼みます」という言葉を遺して逝った『呪術廻戦』(芥見下々さん)七海建人の死は、まだ記憶に新しい。

 アニメ放送後には、彼が死の間際に隠居先として希望していたクアンタンを“アニメの聖地”として観光誘致すべく、マレーシア・パハン州の議員が動いていると、現地の日刊新聞『New Straits Times』が告げた。推しの死は国境をも越える。

 

「推しの死」とは、ただのキャラクターの消失ではない。物語のなかで重要な役割を果たすとともに、ファンに深い感動や衝撃を与える出来事だ。昭和から令和にかけて多くの人の心に刻まれた彼らの死を通して、アニメや漫画の影響力の大きさが再確認される。

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