■『ジョジョの奇妙な冒険』レッド・ホット・チリ・ペッパー

 最後は荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)から、水に弱いスタンドを紹介したい。それが音石明の使用する「レッド・ホット・チリ・ペッパー」だ。

 このスタンドは電気を媒介として出現し、電力がある場所なら自在に移動でき、その大きさによって強さも変わってくる。

 家庭用コンセントから登場した時は、常に電力が流れている状態というところから、東方仗助や虹村形兆を圧倒していた。しかし、億泰のバイクのバッテリーで電力供給していたときは、これまでの強さはない。さらに電力が尽きそうになって消えてしまいそうになるというマズイ状況にもなった……。それでも、地下ケーブルを掘り当てると奇跡の復活を遂げ、あり得ない強さになったから驚きだ。

 そんなスタンドにも電力供給や絶縁体以外の弱点があり、それが「塩水」をはじめとする電気をよく通す物体である。そうしたものの中に放り込まれると、蓄積した電力が分散されて力を失ってしまうのだ……。

 実際に作中では、海水に浸かったせいでスタンド能力が失われてしまっていた。このスタンドの場合、純粋な水や雨に弱いというわけではないのだが、これもまた一種の“濡れると弱くなる”例のひとつだろう。

 

 濡れると能力が出せなくなるキャラは、そのことに対して準備しているキャラと、そうではないキャラに分かれる。やはり自分の弱点も含めて戦局を組み立てないと、最強の能力でもあっさりと敗北してしまうのだろう。

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