『週刊ゴルフダイジェスト』連載中の、原作:かわさき健さん、作画:古沢優さんによる人気ゴルフ漫画『オーイ!とんぼ』がアニメ化され、絶賛放送中だ。さらに『七つの大罪』で知られる鈴木央さんのゴルフ漫画『ライジングインパクト』も、Netflixでアニメ化が決定し、今年6月から配信予定となっている。
かつてないほどに盛り上がりを見せているゴルフアニメだが、これまで作られた数自体は非常に少ない。そこで今回は、盛り上がっている今だからこそ、貴重なゴルフアニメの系譜を今一度確認してみたい。
■大御所漫画家による昭和ゴルフアニメ『プロゴルファー猿』『あした天気になあれ』
ゴルフアニメと言えば、まずは藤子不二雄Aさんの『プロゴルファー猿』だ。1974年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載された原作漫画は少年漫画初のゴルフ漫画であり、まさに元祖ゴルフアニメと言っていいだろう。
1982年に2時間のスペシャルアニメが製作され、85年にレギュラー化し1話15分の全143話+SP1話が放送された。88年には続編の『新プロゴルファー猿』全10話も放送されている。
賭けゴルフを生業にする主人公・猿が、さまざまなゴルファーと対決するストーリーで、野生児・猿は、紳士のスポーツである「ゴルフ」を、裸足に木製のドライバーでプレイしていた。“旗つつみ”や“岩返し”などの必殺ショットを繰り出す姿が、非常にかっこよかったのを覚えている。藤子さん本人も大のゴルフ好きで知られているので、自分がプレイするなかでいろいろなアイデアが生まれたのだろう。
続いて、漫画界の大御所ちばてつやさんの手掛けた『あした天気になあれ』。『週刊少年マガジン』(講談社)で1981年から10年にわたって連載されており、アニメは1984年から全47話が放送された。
奇想天外な『プロゴルファー猿』に対し、正統派の『あした天気になあれ』。本作を通じてゴルフのルールや、プロゴルファーへのなり方などを知ったという人も多いかもしれない。そして主人公・向太陽がショットのタイミングを取るための「チャー・シュー・メン!」という掛け声は、当時の流行語にもなった。
■平成のゴルフアニメ『DAN DOH!!』
時代は昭和から平成になり、ゴルフ界はタイガー・ウッズ選手が活躍。日本でも、宮里藍選手や石川遼選手などたくさんの人気選手が誕生した。さらには、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、ゴルフが競技として112年ぶりに復活するなど、ゴルフがさらに注目される時代だった。
しかしこの間、ゴルフアニメは全く作られていない。氷河期とも言えるこの時期、唯一放送されたのが『DAN DOH!!』だ。坂田信弘さん原作、万乗大智さん作画の漫画は『週刊少年サンデー』(小学館)に連載され人気を博し、2004年にはアニメ化。全26話が放送された。
母親と離ればなれになった主人公・青葉弾道が、金を稼ぐためプロゴルファーを目指し努力する姿が非常に健気であった。かなり怪我が多い主人公という印象だったが、そのぶんドラマチックな展開が続く見ごたえ十分の本格ゴルフアニメだった。