あのさん、幾田りらさんの印象は
――後章の小比類巻は過激派グループに所属し、宇宙からの侵略者に対抗している人物に変化していきます。後章の小比類巻の人物像を演じるにあたり、どのようにアプローチしていかれたのでしょうか。
内山「アフレコが始まる際のスタッフさんとの会話でも、“変化するキャラクターだから、そのギャップが大事”という話は出てきていたんです。だから、高校を卒業したあとの小比類巻が出てきたときは、変化の度合いをどれくらいにしようかと試行錯誤がありましたね。
テストで僕が最初にやったテイクは、かなりダークすぎる小比類巻という感じだったので、もう少しだけ高校生時代の感じに戻そうかということになって。そのグラデーションをいろいろとスタジオで話し合って、実際に試しながら作っていきました」
――本作では門出役を幾田りらさん、おんたん役をあのさんが演じられています。おふたりの声の印象はいかがでしたか。
内山「まずキャラクターとマッチしているという面で、すばらしいキャスティングだと思いました。幾田さん、あのさんの声質がとてもいいと思いますし、キャラクターの日常だけでなく、小学生時代や、号泣するシーンなどさまざまな表現が要求されるなかで、見事に演じているなと思いました」
――本作はたくさんの登場人物たちが入り乱れる群集劇です。内山さんが気になるキャラクターをお聞かせください。
内山「やはり……ひろし(中川ひろし/おんたんの兄)になっちゃいますね。ギャグ担当っぽさもあるんですけど、セリフも含めてキャッチーなキャラクターですよね。映画では諏訪部順一さんの声が付いて、また魅力的になったなと。
しかも、原作を最後まで読みすすめていくと、この作品の本筋にめちゃくちゃ影響を与えていて、おんたんたちに大事なメッセージを伝えている。おんたんと門出の関係性に変化を与えていく存在になるので、実はひろしが命運を握っていたんじゃないかと思いました」
内山昂輝(うちやま・こうき)/8月16日生まれ、劇団ひまわり所属。声優としての代表作にゲーム『キングダム ハーツ』シリーズ(ロクサス、ヴェントゥス)、『機動戦士ガンダムUC』(バナージ・リンクス)、『ピンポン THE ANIMATION』(スマイル/月本誠)、『ハイキュー!!』(月島蛍)、『呪術廻戦』(狗巻棘)などがある。
■作品情報
映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
2024年5月24日(金)より全国公開/前章公開中
原作:浅野いにお『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』刊
監督:黒川智之
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東伸高
〈声の出演〉
幾田りら、あの、種﨑敦美、島袋美由利、大木咲絵子、和氣あず未、白石涼子、入野自由、内山昂輝、坂泰斗、諏訪部順一、津田健次郎 / 竹中直人
美術監督:西村美香
音楽:梅林太郎
アニメーション制作:Production +h.