「高校生のころっていろいろなものに影響されると思う」

――前章の小比類巻は高校生。主人公・門出やおんたんのクラスメイト・栗原キホ(CV:種﨑敦美)と付き合い始めるという男の子です。収録はいかがでしたか。

内山「今回はスケジュールの都合から、収録は基本的に僕ひとりで行うことが多かったんです。だから、スタッフの皆さんと協力して作っていく感じでした。

 小比類巻に共感できるなと思ったところは、影響されやすい部分ですね。たとえば、小比類巻が一方的に早口でまくしたてるシーンでは、そういう精神的にまだ確立されていない危うさみたいなものを表現したいと思いましたし、思春期特有のブレてしまう雰囲気が出ていればいいなと思いながら演じました。

 高校生のころっていろいろなものに影響されると思うんです。自分の好きなものに影響されたり、ミュージシャンのインタビューを読んで、そのまま真に受けたりする。“そういうことって誰にでもあることだよな”と思っていました」

小比類巻健一(CV・内山昂輝)(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee

――内山さんも高校生のころ、ミュージシャンの言葉に影響を受けたこともあったのでしょうか。

内山「たしかに僕も本屋さんで音楽雑誌を立ち読みしていた思い出はありますし、いろいろなインタビューは読んでいたと思います。ただ、具体的に雑誌の内容だとか、自分がどう受け取ったのかは、そこから10年以上が経っているので思い出せませんね(笑)。

 自分が高校生だったころを振り返ると、人から言われたことをそのまま受け止めてしまうことってあったと思うんですよね。自分で使えるお金にも限界があるし、いろいろ不安な気持ちを抱えがちな時期でもある。そうなると、やっぱり大人や年上の言っていることをそのまま飲み込んでしまいがちなのかなって思います。

 小比類巻は、キホという彼女が、自分の好きな音楽を聴いてくれたり、その感想を教えてくれたりしていたのに、どうしてもうまく関係を結ぶことができなくなってしまう。そういう部分は共感できましたね」

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